田中ヤ軍エースを「バリバリ意識」させた苦い思い出

2016年01月24日 06時00分

大勢の報道陣に囲まれた田中は胸を張って今季の決意を明かした

 ヤンキース・田中将大投手(27)が22日、コボスタ宮城で自主トレを公開した。練習後、30分近く報道陣に和やかな対応をみせていたが「ヤ軍のエースとしての意識」について話が及ぶと「そういう思いは強く持っていきたい。バリバリ意識して」と言い、これまでとは一変して“エース”の称号を一身に背負う覚悟を示した。その真意とは――。

 

 田中は一緒に自主トレを行った則本や松井裕らとともに室内練習場に姿を現すと、軽いノックやキャッチボールで汗を流した。昨年10月下旬に手術した右ヒジも順調。バッテリー間の距離では力強いボールを披露した。

 

 契約するまでは時期尚早と発言を避けてきたドジャース・前田健太投手についても言及。「当たる(対戦する)確率は少ないのかなという気持ちもあるが、そういう機会があればいい」と語ったが、自らの経験と重なる点には言葉にも熱がこもった。

 

 身体検査で「イレギュラーな点があった」とされたことで、早々に米メディアから叩かれる可能性に関する質問に「(バッシング封じの)一つとしては活躍、勝ち続けることじゃないですか。結果を出していれば何も言われないわけですし」とキッパリ。「1試合いい投球をすればヒーローになるし、1試合悪い投球をすれば『ヒジがダメなんじゃないか』となる。それはそういうもんだって受け入れるしかない。言われたくないなら勝ち続けるしかない」との発言は、自らに言い聞かせるようでもあった。

 

 そして、もっとも語気を強めたのはメジャー3年目を迎えた自身の覚悟を語るときだった。周囲はもう「先発1番手」という立場ではなく「エース」としての活躍を期待している。それを問われると田中は「そういう思いは強く持っていこうと思ってます。今までよりバリバリ意識して。それはあえて思ってます」と言い切った。これまではエースという期待や言葉に対して謙遜する発言が多かったが、まるで自身を追い込むような口ぶりだ。

 

 田中は「(意識する)きっかけはないです」としたが、期待されながら敗戦を喫した昨年の開幕戦と“負けたら終戦”の大一番で敗れたアストロズとのワイルドカードでの苦い思い出がある。

 

 田中は今季について本紙に「15年の経験も含めて、大事な試合でしっかり結果を出したい。要所要所で『こいつに任せておけばなんとかしてくれる』と思ってもらえるように投げたい」とも話していた。トータルの成績だけでなく“勝つべき試合で勝つ投手”にならなければいけない――それが田中の真意でもある。

 

 2月上旬には渡米し、キャンプに備える。自らを追い込んでメジャー3年目を迎える。