巨人のマイルズ・マイコラス(27)がセCSファイナルステージ第2戦(15日)に先発。3回まで1安打と抜群の立ち上がりだったが、4回に連打で無死二、三塁とされ、畠山の右犠飛などで2失点。ベンチに戻ると常設の扇風機をグラブでブッ叩いて破壊し、先制を許した悔しさをあらわにした。6回は3安打で一死満塁のピンチを招くと、バレンティンに中前へ2点適時打。5回1/3を8安打4失点でKOされた。

 レギュラーシーズンから続いていた11連勝の記録は、これでストップ。今季3戦全勝とカモにしていた“お得意様”に煮え湯を飲まされてしまった右腕は「相手が失投を逃さなかった。大きな試合で負けてしまったのは残念だ」。

 チーム最多の13勝をマークしたマイコラスを巡っては舞台裏で新たな衝撃情報が漏れ伝わってきており、球団側は神経をとがらせている。

 今季限りで巨人との契約が切れるマイコラスには水面下でレッドソックスなど複数のメジャー球団が獲得に強い興味を示しているが、ここにきてヤンキースもその獲得レースに参戦する公算が大きくなってきたからだ。

 今季のヤンキースはメジャー全30球団中17位のチーム防御率4・05。3年ぶりのポストシーズン進出は果たしたものの、ワイルドカードゲームで敗退したことで「脆弱な投手陣の補強」を望む声はグラウンド内外から噴出している。

 今オフのFA市場にはデービッド・プライス(ブルージェイズ)やジョニー・クエト(ロイヤルズ)、ジョーダン・ジマーマン(ナショナルズ)、岩隈久志(マリナーズ)らエース級が多く揃う。しかしながら“ぜいたく税”(チームの年俸総額に対する課徴金)の支払いを気にするヤ軍はオーナーのハル・スタインブレナー氏の意向もあって今オフも大型補強には慎重な構え。

「その点、マイコラスならばメジャーのエース級よりも断然安価。日本で実績を積んだ右腕の情報をヤンキースは詳細にチェックしている」(メジャー関係者)という。

 マイコラス残留を熱望する巨人にさらなる暗雲が垂れ込めてきた。