【ニューヨーク5日(日本時間6日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)が6日(同7日)、地区シリーズ進出をかけアストロズとのワイルドカードゲームに先発する。投手陣の中心、サバシアの突然の離脱でチームに動揺が広がる中、チームの命運を託された背番号19は勝利を誓った。

 負けたら即終戦の一発勝負。「シーズンと違って、その試合でどうなるかっていうのは高校以来ですかね」と振り返った田中は「内容はどれだけ汚くても、失点を防いで投げることが大事だと思う。相手もいいピッチャーですし、どういう形であれ失点を防いでいい形でリリーフ陣につなぐことが大事だと思います」と表情を引き締めた。

 多くの修羅場を経験した右腕ではあるが、メジャーのプレーオフは特別だ。「(普段と)同じように臨みたいですけども、やはりまったくの別物なので。おのずと気合、気持ちが入る部分はありますが、逆に入り過ぎないように『もう少しリラックスしよう』って、第三者の目で自分に言い聞かせて。その辺のバランスはしっかり取ってゲームに臨まないといけないとは思います」と自らに言い聞かせた。

 今季、アストロズ戦では6月27日(同28日)に先発。味方の大量援護がありながらも、3本塁打を浴びるなど5回6失点で降板している。「そのときは自分の状態もあまりいい時期ではなかったし、そのときと(今は)違うと思っている。そのときは悪い登板でしたけども、明日は自分にとっていい登板にしたいと思う」と雪辱を誓った。

 この日、C・C・サバシア投手(35)がアルコール依存症を告白し、リハビリ施設に入ったことが発表された。田中は「チームメート、仲間として自分にできることがあればサポートしていきたい。ただ(この一件が)明日の試合へのプレッシャーが増えるということはないです。C・C(サバシア)もきっと応援してくれていると思うし、勝つことがもちろん大事。いい姿を見せたいですね」と続けた。

 世界一を目指して渡米して2年目でつかんだチャンス。「一野球選手として、こういう場で投げられるのは自分が求めていた部分でもある。そこでいかに自分の力を出し切るかだと思う。いいピッチングをしたいと思います」。舞台は整った。あとは結果を出すだけだ。