【マサチューセッツ州ボストン発】ヤンキースの田中将大投手(26)は31日(日本時間1日)、2日(同3日)の敵地・ボストンでのレッドソックス戦に向け“攻め”のブルペン投球を行った。午後3時半過ぎ、日差しの強いフェンウェイ・パークのグラウンドに田中が現れると、さっそく待ち構えていたのがウオーミングアップ中のレッドソックスの上原浩治投手(40)だった。痛々しい右手のギプスを見ながら、骨折箇所を確認するようなやりとりをしたあと、キャッチボールを開始、ブルペンへ入った。

 中4日調整でのブルペンとあって投げたのは27球だったが、実戦的なものだった。まずロスチャイルド投手コーチが右打席に立った状態でノーワインドアップから14球。最後スプリットを2球続けたところで、田中は急きょ同コーチへ左打席に立ってもらうよう要請した。本来ならばここからセットポジションに切り替え、直球から始めるところだが、再びノーワインドからスプリットを1球。ここからセットポジションに切り替え直球を投げると、2球目にはツーシーム、さらにバックドアのスライダー…と、試合さながらの“攻めの投球”を披露した。こうしたブルペン投球は以前から行っていることだが、ここ数試合、内外角の厳しいコースをボールと判定されることも少なくなかっただけに、これまで以上に念を入れたように感じる。

 投球を終えると、ロスチャイルド・コーチと投球時のヒジの角度を確認するようなやりとりを行い終了。再び上原と、さらに田沢純一投手(29)にあいさつしてクラブハウスに引き揚げた。

 今季、レッドソックス戦はいずれも本拠地で2戦2勝だが、防御率4・91と内容には不満だろう。チームは前日の時点でア・リーグ東地区首位のブルージェイズを1・5ゲーム差で追っている。宿敵との一戦は絶対に負けることは許されない。