甲子園では清宮の「声」にも注目!? 第97回全国高校野球選手権大会(甲子園)が6日、開幕した。“スーパー1年生”清宮幸太郎内野手を擁する早実(西東京)は第3日(8日)の第1試合で今治西(愛媛)と対戦する。その大事な初陣において早実ナインが清宮に期待しているのは豪快な一発だけではない。その口から裏声の「キュートボイス」が飛び出すことを願っているという。一体それは――。 

 日本中が注目する“スーパー1年生”の甲子園。多くのファンやメディアから熱視線が注がれる中、当の清宮は常に平常心。周囲のフィーバーなど、どこ吹く風で普段通りの気構えを貫き、まずは初戦突破に向けて黙々と汗を流し続けている。西東京大会では打率5割でチーム最多の10打点をマーク。不発に終わった本塁打も「1試合、1本は打ちたい」と豪語しているだけに、甲子園では初戦からの打棒爆発が期待されるところだ。

 だが、チーム内の期待はそれだけではない。清宮の「声」を待ち望んでいる関係者や選手たちも数多いという。清宮はふだんから練習中に英語で「オー・マイ・ゴッド!」「ワ~オ!」などとよく掛け声をかける。将来の夢を胸に秘めた“メジャースタイル”なのかもしれないが、ほかに周囲が「大一番でしか口にしない」とみている“裏声”の存在がある。それが通称「キュートボイス」だ。

 清宮はこの“秘密兵器”を7月26日の西東京大会決勝戦で初披露。耳にした早実関係者は次のように打ち明けた。「あの試合の中盤あたりで清宮は『行くぞ~っ!』とベンチ内で声をあげたんです。ただ、その声が普段と違って、ちょっとかわいい感じの裏声で…。特に誰も突っ込まなかったんですが、ただ誰もが清宮の今まで聞いたことがなかった声を聞いて『ヨシッ』と気が引き締まり、不思議と奮い立ちました」

 その言葉通り、この試合は東海大菅生を相手に5点をリードされた8回、打者14人の猛攻で一気に8点を奪って逆転した。早実のチーム内で初披露された清宮の裏声がナインの気持ちを鼓舞させて奇跡を起こし、甲子園行きの切符を見事、手にできたというのである。

 実はこれ、清宮の過去の大一番でも何度となく口にされている。東京北砂リトル時代の2012年8月、日本代表として米国ペンシルベニア州で行われた第66回リトルリーグ世界選手権に出場した時だ。当時も清宮は大事な場面において「行くぞ~っ」の裏声をグラウンドで響かせながら快音を連発して大暴れ。準決勝・パナマ戦で飛距離310フィート(約94メートル)の大会史上最長弾を放つなど5試合で打率6割6分7厘、3本塁打を放ってチームの世界一に貢献した。その活躍は米メディアによって大きく報じられ、全米中を驚嘆させた。

 あの「A・ロッド」ことアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)までもが、当時の清宮を「ワンダーボーイ(とんでもなく素晴らしい少年)」と称し「試合中にかわいい声を発して、すごいバッティングをする少年だよね」と話していたほどだ。

「甲子園では毎試合が大一番。ずっと裏声を出してほしい。初戦から最後の決勝まで…」と早実関係者。早実の行く末は清宮の「力」と「声」にかかっている!?