【イリノイ州シカゴ発】3年ぶりのポストシーズン進出へ先発投手の補強が課題の一つに挙げられたヤンキースだが、選手をウエーバーにかけることなく交換できる期限(米東部時間31日午後4時)までに新たなトレードは成立しなかった。この結果、先発ローテーションは田中将大投手(26)を柱に現有戦力とマイナーから昇格させる有望な若手投手でまかなうことになった。

 ヤ軍の先発陣は今が正念場だ。田中は制球に苦労し、2番手のマイケル・ピネダ投手(26)は右前腕屈筋の張りで故障者リスト入り。3番手のC・C・サバシア(35)は相変わらず不安定で、前回の登板後には脱水症状に見舞われた。

 こうした中、ヤ軍のブライアン・キャッシュマンGMは他球団とトレード交渉を進めたが、相手チームから求められた若手有望株の放出をチームの将来を考慮して拒んだようだ。トレード期限から2時間後に電話会見した同GMは「今日の交渉は合意に達しなかった。われわれはファームシステムに頼ることになるだろう」と表明した。

 その期待の星とされるのが右腕のルイス・セベリーノ投手(21)だ。傘下の3Aで7勝0敗、防御率1・91と圧倒的な成績を残している。同GMは「彼の次の先発はメジャーになるだろう」と公言。近日中のメジャーデビューが有力視される。一方、田中は前回の黒星からの巻き返しが期待される。昨年は故障でこの時期に戦列を離れた。今年は右ヒジに“爆弾”を抱えながらもプレーオフ進出へ向け大車輪の働きが求められる。