【フロリダ州マイアミ16日(日本時間17日)発】日米注目の初対決から一夜明け、ヤンキースの田中将大投手(26)はマーリンズ・パークのグラウンド上でマーリンズのイチロー外野手(41)と“爆笑対談”した。試合前のマーリンズの練習中にベンチから出た田中は中堅付近でキャッチボール中のイチローを確認するや小走りで接近。どちらからともなく手を差し伸べてガッチリと握手し、5分ほど談笑した。

 前日の初対戦は4打数2安打1三振。初回は150キロのフォーシームを右前に運ばれ、3回は外角ツーシームで打ち取った当たりながら二塁内野安打とされた。しかし、5回の第3打席ではこの日最速の153キロのフォーシームで見逃し三振。7回はスプリットで遊ゴロに仕留めた。試合後は「完敗です」と潔く負けを認めた。

 田中はマウンドで見せる厳しい顔を封印し、終始温和な表情だった。どんな言葉を交わしたかは不明だが田中のひと言が“ツボ”に入ったようで、イチローがおなかを抱えて笑うシーンも見られた。

 その後、田中は約10分間ほどキャッチボールを行うなど軽めのメニューで汗を流した。

 一夜明けたニューヨークの地元各紙は味方打線の援護に恵まれなかった右腕に同情的だった。デーリー・ニューズ紙(電子版)は「ヤンキースはマーリンズへの1―2の敗戦で田中をヘルプできず」と3安打に終わった打線をやり玉に挙げた。ニューヨーク・ポスト紙(電子版)も「ヤンキースにとってタフな1日は冷静だった田中に試練を与えた」。ニューズデー紙(電子版)は「一発が田中に損失をもたらした」と1―1の7回にディートリッチに勝ち越し弾を許した一球の失投を残念がった。

 田中の次回登板について一部では中4日で20日(同21日)のタイガース戦を予想する報道もある。ジラルディ監督は試合前の会見で今後のローテーションについて「できれば各先発投手を中5日で回したいのだが、まだ決めていない」と明言しなかった。中4日でも中5日でも田中はエースとしてやるべきことをやるだけだ。