【ニューヨーク11日(日本時間12日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)の右ヒジは大丈夫なのか。球団、ファンは大いに気になるところだ。復帰2戦目となった9日(同10日)のナショナルズ戦で7回1失点と好投。2013年のサイ・ヤング賞投手のシャーザーに投げ勝ち4勝目をマークした。地元のニューヨークメディアは投球内容を絶賛するものの、故障再発を懸念している。そんな中、ヤンキースOBから右ヒジ論争に「終止符を打つべきだ」との声が上がっている。

 口火を切ったのは米スポーツ専門局ESPNの解説者のアーロン・ブーン氏(42)だ。祖父、父、兄と3代続くメジャーリーガーで、兄のブレット・ブーン氏(46)はレッズやマリナーズで活躍した名二塁手だ。アーロン氏はメジャー12年で通算1017安打、126本塁打。ヤンキースに在籍していた2003年にレッドソックスとのリーグ優勝決定シリーズに出場し、3勝3敗で迎えた本拠地での第7戦で5―5の延長11回に球史に残るサヨナラ本塁打を放っている。アーロン氏の打者目線からの投手の解説は高く評価されている。

 9日深夜に放送された同局の人気番組「スポーツセンター」では田中をクローズアップ。アーロン氏は「田中は素晴らしい。サイ・ヤング賞投手のシャーザーに投げ勝ったことも大きい」とし、こう続けた。

「この結果は田中にとって何ものにも替え難い大きな自信と実績になるはずだ。十分な材料じゃないか。同時に彼の右ヒジに関する議論を静めさせることになるだろう。もうしばらくメディアは田中の右ヒジに関する質問はしないほうがいい」

 ヤンキース傘下のケーブルテレビ局YESで解説者を務めている、ヤンキースでも先発投手として活躍したアル・ライター氏(49)も同じ考えだ。メジャー19年で通算162勝、1995年から2004年まで10年連続2桁勝利をマークしている、その名投手は「もちろん、アーロンの見解は正しい」とし、次のように述べた。

「右ヒジに問題を抱えているようならば、あれほどの特別な投球なんてできない。彼は(右ヒジの)論争もシャットアウトしたんだ。すごい男だよ」

 超大物ではないものの、目利きである2人の提言は説得力十分だ。果たしてニューヨークメディアはどうするか。