【ニューヨーク10日(日本時間11日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)は前日のナショナルズ戦に先発し7回を5安打1失点で4勝目(1敗)を挙げた。2013年にア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したマックス・シャーザー投手(30)との投げ合いを制し、復帰から2試合連続で好投したエースを地元ニューヨーク各紙は絶賛した。

 相手先発シャーザーは13年のサイ・ヤング賞投手で昨季まで2年連続最多勝を獲得したメジャー屈指の右腕だ。全米が注目したエース対決で投げ勝った田中をニューヨーク各紙はこれでもかと持ち上げた。ニューヨーク・ポスト紙は田中の気迫あふれる投球写真を大きく配して「エースの威厳」の大見出しを付けた。「新エースに会おう。以前と同じエースだけど。昨年に痛めた右ヒジが側副靱帯の部分断裂で済んだことに感謝しよう。球速も制球も抜群に良かった」と称賛した。

 デーリー・ニューズ紙は「マックス(シャーザー)はヒロとヤンキースに屈した」と戦況を伝えた。コラムでは「何がヒジの不安なんだ? エースのギャンブルは成功している…今のところは」と題し、「田中がシャーザーとの対戦で何かエキストラな闘志を感じていたら、ヤンキースにとってシーズン終盤やポストシーズンへ吉兆となる」と論評。右ヒジの故障が再発しないことを願った。

 ニューズデー紙は約2か月ぶりとなる本拠地ヤンキー・スタジアムでの登板で好投した田中について「噂通りだった」と納得。「田中は快調なフォームを取り戻したと最近語っていたように、昨晩の試合でも証明した。球速、制球、コース選択とどれをとっても見事だった」と伝えた。

 通常であればスポーツ1面にあたるバックページを華々しく飾るところだが、ジャイアンツのヘストンが前日のメッツ戦で無安打無得点試合を達成したため、中面に回った。

 その田中は、この日のナショナルズ戦前にヤンキー・スタジアムのグラウンドでブルペン捕手と約10分間キャッチボールするなど軽めの調整だった。次回登板は15日(同16日)に敵地で行われるマーリンズ戦が濃厚。そうなればイチロー外野手(41)と初対決だ。再び全米が注目するだろう。エースは新たな夢対決に向けて気持ちを高めていく。