【ニューヨーク発】右手首のけん炎と右前腕部の張りで故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(26)が24日(日本時間25日)、ブルペン入りした。レンジャーズ戦前に本拠地・ヤンキー・スタジアムで計37球。DL入りから2度目のマイナー登板となる27日(同28日)の敵地・レッドソックス傘下3Aポータケット戦に向け、万全の仕上がりを見せた。

 入念にチェックした。グラウンドでのキャッチボールを終え、ブルペンに入った田中はマウンドから一球一球の感触を確かめながら丁寧に投げた。直球に加え、カーブ、スライダー、カットボール、ツーシーム、スプリットとさまざまな変化球を交えながら、球種の状態を確認。捕手を座らせて17球、その後にロスチャイルド投手コーチを左右の打席に立たせて14球を投じた。

 田中がブルペン投球を終えると、報道陣に囲まれたロスチャイルド投手コーチは開口一番で「ベリー・グッド」とうなずく仕草を見せながらひと言。そして「私が打席に立ったのは試合と同じ状況にしたかったからだ。近くでボールを見たが、もちろん何の問題もないし、素晴らしいのひと言だ。彼は予定通りに水曜日(27日)に投げるよ」と補足した。満足そうな笑顔を見せたことが、田中の状態の良さをしっかりと物語っていた。

 また、この日のブルペン投球をチームの大物OBのアンディ・ペティット氏(42)も見守った。メジャー18年間で通算256勝をマークし、ヤンキースでも現役時代に身につけていた背番号46が永久欠番となっているレジェンド左腕だ。この日はバーニー・ウィリアムズ氏の背番号51を永久欠番とする記念セレモニー出席のため来場した。そのペティット氏の視線を意識したのか、田中も相当に気合が入っていたようだ。

 田中の復帰Xデーについて米メディアは、さまざまな予想を立てている。一部では27日のマイナー登板で内容が良ければ、6月1日(同2日)からの敵地マリナーズ3連戦で復帰登板もささやかれている。この日のブルペン投球を見る限りでは「問題ない」と言えるだろう。

 チームは前日までの10試合を1勝9敗と苦境。誰もがエースの1日も早い復帰を期待している。