【ニューヨーク発】ヤンキースの田中将大投手(26)が変身だ。といってもツーシームを軸にした今季の投球スタイルを再び変えるのではない。現在、チームではゲン担ぎのために口ひげを蓄える選手が増えている。チームメートから話を聞いた田中もその輪に加わったのだが…。

 ヤンキースであごひげは禁止されているが、口ひげは紳士の証しとして認められ、レジー・ジャクソン氏やデービッド・ウェルズ氏らは有名だ。

 音頭を取ったのは生え抜きの外野手・ガードナーだった。3勝6敗と開幕スタートをつまずいた後、「口ひげを剃らないでいたらチームが調子を取り戻した」ということから、ナインに呼びかけた。実際にヤンキースはその後、前日までの時点で7勝2敗と巻き返した。2013年にワールドシリーズを制したレッドソックスはひげで団結した。

 ガードナーへの賛同者は投手ではベタンセス、ロジャーズ、捕手・マキャン、内野手ではヘドリー、ジョーンズ、テシェイラ、外野手ではエルズベリーだ。ガードナーによれば、主砲ロドリゲスも誘っているとのこと。ちなみにサバシアは4年前から蓄えている。

 ベタンセスは「僕は顔にあまり毛が生えないんで、なかなかひげが伸びてこないんだ」と苦笑。エルズベリーは「まだ寒いからね。暖かさをキープするのにもいいよ」とまだうっすらとしている口ひげを触りながら話した。

 田中はどうか。口元を軽くさすると「だから僕も伸ばしてるんですよ」とニヤリ。元来、ひげはあまり濃い方ではない田中だが、よく見ると鼻の下にうっすらとひげが生えていた。「ニューヨークに帰ってきて(米国時間23日未明)から『(ゲン担ぎを)やってる』って聞いて。みんなやってるみたいなので」と明かした。無精ひげではなく、蓄えているように見えるようになるのだろうか…。

 次回登板が29日(日本時間30日)のレイズ戦に決まった田中はこの日、ブルペンで39球を投げ込んだ。7回2安打無失点と好投した18日(同19日)の再現が期待される。口ひげ軍団は09年以来のワールドシリーズ制覇を目指す。