【ニューヨーク10日(日本時間11日)発】ヤンキース・田中将大投手(26)が“公約”を守った。開幕前に「ヤンキースは田中を(途中で)失うと思う」と過激発言した“因縁の”ペドロ・マルティネス氏(43)と対面し、約束通り笑顔で握手した。

 この日の田中は午後4時前にグラウンドに姿を現すと、キャッチボール中のレッドソックス・田沢にあいさつ。その後、約40メートルの距離で軽めのキャッチボールを行い、短距離走を数本こなした。

 そのころ、ヤ軍ベンチ周辺には異様な緊張感が走っていた。米スポーツ専門局ESPNの解説者として訪れたマルティネス氏がヤ軍ベンチに姿を現し、日米メディアが続々と集まりはじめたのだ。マルティネス氏は3月1日(同2日)のラジオ番組で田中のヒジの状態について過激発言。一方で田中は「大投手が僕のことを話題にしてくれて光栄」と敬意を表し、「(もし会ったら)たぶん握手を求めるかな」と“予告”していた。

 そして午後4時25分過ぎ。田中は笑顔で歩み寄ると、マルティネス氏とがっちり握手。“アクシデント”を期待していた米メディアをよそに、イタズラっぽく笑みを浮かべ「撮りたい絵は撮れたかな~」とつぶやいて笑いを誘うと、クラブハウスへと引き揚げた。

 田中の先発は3戦目の12日(同13日)。この日はESPNで全米中継される。マルティネス氏の前で前言撤回させるような快投を披露してもらいたいところだ。