【フロリダ州フォートマイヤーズ31日(日本時間1日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)が、敵地でのツインズ戦に先発し、4回1/3を7安打3失点、1三振だった。オープン戦のラスト登板が4試合で最も悪い内容だったが、田中は「(開幕までに)いろんなことを出しておけてよかった」とケロリ。「やることはすべてやれた」と4月6日(同7日)のブルージェイズとの開幕戦へ向け視界良好を宣言した。

 試合後、田中が「初回から自分の中で『ん?』というのはあった」と振り返った通り、制球に苦しんだ。1回、打ち取ったはずの先頭打者が二塁手の失策で出塁。2番・エスコバルを中飛、3番・ハーマンをスプリットで空振り三振、続く4番・バルガスを一ゴロに抑え無失点で切り抜けたが、計19球を要した。

 2回も遊撃手の失策で走者を許したが無失点。制球が定まらないためか、時折ボールをこねるしぐさを繰り返した。3回二死でエスコバルに真ん中に入ったツーシームを右翼線二塁打されると、ハーマンにも143キロの甘く入ったツーシームを左前に運ばれ先制点を許した。4回も一死から下位打線に3連打を浴びて1失点。落ちきらないスプリットを打ち込まれる場面もあった。

 4回を終えて71球。75球がメドだった田中にとって5回が“最終回”だったが、先頭のエスコバルに初球、高めのツーシームを右翼席に叩き込まれた。その後、一死を奪ったものの、バルガスに初球のツーシームを左前打されたところで降板を告げられた。

 オープン戦最終登板、総仕上げの段階だけに不安もよぎったが、田中の表情は晴れやかだった。「今日はいろんなことが思うようにいかなかったが、シーズン入る前にいろんなことを出しておけてよかったなというのは感じる。今までの登板までが結構うまくいってたので、今日は思う通りにいかない中でのピッチングでしたけれども、経験できてよかったと思います」

 今季、田中にとって生命線となるツーシームを痛打されるシーンが目立ったが「まずひとつは初球だったり早いカウントでストライク取るのに苦労しちゃったなという感じがあった。変化球のキレとかもあまりよくなかったので、空振り取れるところがファウルになってしまったり。前に飛ばしてくれればよかったんですけど、全部ファウルになっていたので、球数が今日は増えてしまいました」と割り切っている。セットポジション、味方の2失策、初回から感じた調子の悪さ…レギュラーシーズンで起こり得るマイナス要素をひと通り体感できたことを収穫と捉えた。

 6日後に開幕投手の大役を果たすと同時に、メジャー2年目が始まる。「開幕前、やることはすべてやれたとは思うので、あとはもう開幕を迎えるだけだと思います」と前を向いた背番号19。準備は整った。