<中日5-3巨人(3月31日)> 35年ぶりに開幕3連敗を喫した中日に、救世主誕生だ。本拠地開幕となった31日の巨人戦で、右手親指骨折で登録抹消された森野に代わり今季初めて「5番・一塁」でスタメン出場した福田がいきなり結果を出した。

 2回の第1打席。杉内の137キロの直球を左翼席に先制の本塁打。29日の阪神戦(京セラドーム)での代打本塁打に続く2打席連続の一発でチームの暗いムードを吹き飛ばした。「バットの少し先だったけど、気持ちで押し込みました」

 さらに6回には無死一、二塁から外角低めのチェンジアップを逆らわずに右前に運ぶ適時打。貴重な追加点を奪い、杉内をマウンドから引きずり下ろした。

 1988年生まれの「ハンカチ世代」。横浜高では主将で4番としてセンバツで優勝した。小学校から中学校、高校と日本代表のユニホームを着た。いつの時代も同世代のトップをひた走ってきた。しかし、プロ入り後はヤンキースの田中、広島の前田、巨人の坂本などに大きく水をあけられた。そんな彼らにようやく差をつめるチャンスがやってきた。

 フリー打撃練習で最初の一球をバントする選手が多い中で、福田は初球からフルスイングする。「試合のつもり、いや試合よりも集中してやっています」。頼もしい男が中日を浮上させる。