【フロリダ州タンパ26日(日本時間27日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)は午前9時過ぎに球場入りした。グラウンド上ではストレッチの後、最長で30メートルほどの距離でキャッチボールを行いクラブハウスへ引き揚げた。登板翌日に加え、次回が31日(同4月1日)のツインズ戦に決まり、中5日となったことでごく軽め。午前11時過ぎには球場を後にした。

 前日、田中は4回2/3を投げ4安打3失点(自責点2)、7三振でメッツとのオープン戦で負け投手になったものの、ツーシームを多投し、速球がほとんど145キロ以下、スライダーの球速も変える省エネ投法をお披露目した。「昨年はフォーシームを打たれたのでツーシームでボールを動かして芯を外していきたいと思っている」と説明し、球速を抑えた理由をヒジに負担をかけないためと明かしている。ちなみに野球データ・サイトの「ブルックス・ベースボール」によると、昨季の田中のフォーシームの被打率3割3分7厘、被長打率6割3分3厘はともに全球種でワーストだ。

 一夜明けたこの日、ニューヨークの地元メディアは省エネ投法を好意的に報じた。ニューヨーク・デーリー・ニューズ紙(電子版)は「田中とロスチャイルド投手コーチはフォーシームが他の球種ほど効果的でなかったと感じ、シンカーとしても知られるツーシームをレベルアップさせる決定をした」と伝えた。また、「フォーシームより力まずに投げられる」と故障した右ヒジへの負担が軽くなるという田中の考えに同調した。

 ニューヨーク・ポスト紙(電子版)も「他の球種と同様にツーシームを制御できれば強力な武器となる。だがそれよりもヒジをかばうために力投を避けることがポイントなのだろう」とした。

 一方、ニューズデー紙(電子版)は「田中は遅い球速を心配していない」と報じ、「本人がヒジはまったく問題ないと言っている。レギュラーシーズンが始まればアドレナリンが湧き出て球速は上がるだろう」と不安を打ち消した。

 4月6日(同7日)の本拠地でのブルージェイズ戦で開幕投手を務めることがほぼ確定した田中。万全の状態で大役を果たす。