阪神・藤浪晋太郎投手(20)の“侍守護神”就任が浮上している。15日のDeNAとのオープン戦(横浜)に先発した藤浪は6回7安打2失点。「6回は(ロペスに)本塁打を打たれたけど、それ以外の内容は良かった」と自己評価し、和田監督も「まずまず順調だね。こういう感じで開幕を迎えてほしい」とニンマリだ。

 一方で指揮官同様に期待を寄せているのが、侍ジャパンの関係者だ。「何とか11月のプレミア12でも代表入りしてもらいたい。阪神ファンは日本中にいますから。そうした方々に見てもらうために人気が高い藤浪選手にかかる期待が大きいんです」と注目している。何かと不人気説が付きまとう侍ジャパン。大量の阪神ファンをバックに持つ藤浪の存在が不可欠というわけだ。

 しかし、先発だと登板が週1回となり、登板しない試合はその人気にあやかれない。そこで浮上したのが抑え就任で「抑えなら毎日登板できるから抑え待望論は根強いですよ」(別の関係者)。登場回数が増えれば今まで以上に阪神ファンを振り向かせることができるはずだ。

 もちろん、観客動員だけをアテにするわけではない。プロ入り時から「藤浪は抑えの方が実力を存分に発揮するのではないか」と球界内でささやかれており、セ球団のスコアラーは「あの体形であの球威で、もしも抑えをやったら恐ろしいことになる。誰も打てない」と話すほど。阪神のあるコーチも「(元ヤンキースの)マリアーノ・リベラみたいな守護神になるだろうな。あの球威に身長、カットボールもある。うちではもちろん先発だけど、抑えの適性もあるのは間違いない」と断言している。

 シーズンに向け、順調に調整を重ねている藤浪。まずはチームを優勝に導き、その後の大舞台にも大きな期待がかかる。