【フロリダ州タンパ26日(日本時間27日)発】昨年に続き2年連続でヤンキースの臨時コーチを務める松井秀喜氏(40)の人気は健在だった。ヤンキースナインがジョージ・M・スタインブレナー・フィールドでウオーミングアップを行うなかひっそりグラウンドへ出たつもりの松井氏だったが、ファンは見逃さない。スタンドへふと顔を向けた瞬間に歓声が上がった。その後、サブグラウンドに移動し外野の守備練習や打撃練習中の球拾いなどを手伝ってキャンプ初日を終えた。滞在期間は2~3週間を予定している。

 田中将大投手(26)とはクラブハウスであいさつを交わしたという。松井氏は田中について「もう健康でいることだけですよ。力は十分、みんな分かっているわけですから。ピッチャーのことは全然分かんないですけど、全然心配してないですけどね」と今季の活躍に太鼓判だ。

 故障明けで迎えるキャンプについては「自分もそうでしたけど、ユニホームを着てグラウンドに出ると自然と力入ったりしますから」と、自身の経験を踏まえつつも「でも冬の間、トレーニングしながらある程度(体の)状態は把握しているでしょうから、本人が一番分かっていると思う。その辺は自分で調整していると思います」と問題なしとした。

 親友でもあるデレク・ジーター氏(40)が昨年引退し、精神的支柱が不在となった今季のヤ軍については「今までと一番大きく違うところはそこなんでしょうけど、チームとしては新しいスタートということだと思います。(今季のことは)まだ分からないですけど、選手の皆さんが健康ならいいシーズンになるんじゃないかなと思ってます」と語った。

 選手が主役と考える松井氏。昨年は日米メディアから大きく取り上げられたが、今年は目立たず静かに見守るつもりだ。