【フロリダ州ジュピター発】マーリンズのイチロー外野手(41)は首脳陣から指名を受け、異例とも言える合計100球にも及ぶバント練習を行った。

 キャンプ2日目のこの日は鋭い打球を連発したフリー打撃を終えると、同じ組のスタントン、オズナの両外野手がクラブハウスへ引き揚げる一方で、イチローは別グラウンドへ移動。正遊撃手のエチェバリアと控えのソラノ内野手とともに約20分間、マシンから繰り出される球をバントで三塁側や一塁側へ転がした。 イチローがこれだけ長時間のバント練習に取り組むのは珍しい。マリナーズ時代はブルージェイズ・川崎と短い時間でやったことはあったが、ヤンキースでは表立って長時間のバント練習を行ったことはない。

 練習を指揮したバトラー三塁コーチは「イチローは技術の高さに加え、すべての基本がしっかりしている。強いチームは基本ができているもの。バントに関してもそうだ。若い選手にとってイチローの練習は素晴らしい手本になる」とイチローの存在感を強調した。

 指名打者のないナ・リーグの野球は、ア・リーグに比べ一般的に機動力や細かい攻撃が重視されるといわれる。第4の外野手として加入したイチローが、代打で送りバントを決めるといった渋すぎるシーンを頻繁に見ることになるのだろうか。