ヤンキース田中 笑顔の理由は「充実のオフ」

2015年02月21日 09時00分

【フロリダ州タンパ19日(日本時間20日)発】ヤンキース田中将大投手(26)が、キャンプ地で初めてブルペンでの投球を披露した。気温10度を下回る寒さの中、5割程度の力ながら変化球を交えて21球投げた。この日も報道陣に応対しなかったが、グラウンドでは笑顔が目立つ。体の不安もなく、メジャー2年目ということで余裕を持ってキャンプに臨めることも大きいのだろうが、最大の理由は趣味一色のオフにあった。 

 冷たい風が吹き抜けながら真夏を思わせる強い日差しという、この時期特有の天気のなか、田中は午前10時40分前にチームのマイナー施設へ入った。体感気温は5度以下だろう。フロリダとは思えない寒さに少々戸惑いながらも、同11時20分過ぎにグラウンドに姿を現すとキャッチボールを開始。30メートルほどの距離まで広げた後、ロスチャイルド投手コーチが待つブルペンに向かった。

 立ち投げをこなし捕手が腰を下ろすと投球開始。低めに構えたミットを目掛けて右腕を振った。力の入れ具合は5割程度といったところだ。制球に多少バラつきこそあったものの、カーブやスライダーなどを織り交ぜ21球を投じ2015年の米国初投げを終えた。

 ロスチャイルド・コーチと想定していた投球数は20~25球程度。あとはコンディションに任せて、というものだったが、寒さもあり21球にとどめた模様だ。投球後に感想を聞かれると「大丈夫」と答えたという。昨年7月に靱帯を部分断裂した右肘に不安がある様子はなかった。

 ブルペンを出た田中はそのまま施設へ入ると午後1時20分には引き揚げた。報道陣への応対はなかったが、自身のツイッターで「今日はブルペンに入って投げてきました!なかなか良い感じだったと思います」「気温は10℃なかったのでかなり寒かったです」とつぶやいた。

 タンパ入り後、笑顔が絶えない田中。その明るさはどこからくるのか。調整は順調、さらにメジャー2年目の余裕もあるのだろうがそれだけではない。趣味に没頭した充実のオフを過ごすことができたからだ。

 メジャー1年目の昨年は日本中が期待するなか、右肘を痛めて約2か月戦線を離れながらも13勝5敗、防御率2・77。当然、帰国後多くのオファーが舞い込んだ。そのほとんどが田中のライフワークにもなった趣味の競馬とアイドルがらみのものだ(別表参照)。それ以外でもイベントに招かれ、テレビにも出演した。アイドルのコンサートに何度も足を運んだため、時にはインターネットの掲示板では批判的な書き込みも見られた。もちろん、日々の体の手入れは怠らず、極秘で練習も重ねていた。そんな忙しい毎日だったものの、中央競馬が行われる土日は極力仕事を控え、休養と競馬に充てるというルーティンも確立させていた。慣れない仕事や環境を楽しんだのだ。リフレッシュするには最高のオフだった。

 田中は「とても充実したオフだったと思います。充実はしましたよ」とキッパリ。そしてこう続けた。「いろいろといろんな方々に(自分の趣味を)知っていただいていて、そういうお話が出ているのかなとは思いますけどね。やはり、好きなことをやれるというのが一番。(好きなことを)やりながら、シーズンをしっかり戦って、またいいオフ過ごして…いい循環になればいいですけどね」

 オフの期間に競馬とアイドルから充電してもらったパワーを開幕後にマウンドで爆発させれば結果はついてくる。そうすれば今季終了後もオファーが殺到するだろう。

 ヤンキースは20日(同21日)にバッテリー組が集結し、21日(同22日)からキャンプがスタートする。心身ともにリフレッシュした右腕がメジャー2年目に臨む。