【フロリダ州タンパ17日(日本時間18日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)が、タンパにあるマイナー施設で自主トレを行った。午前10時前に関係者の運転する車で施設に入った田中は、およそ1時間後にグラウンドに姿を見せると、キャッチボールを開始。感覚を確かめるようなゆっくりとした動きでボールを投じると、その距離を70メートル近くまで伸ばした。昨年7月に靱帯が部分断裂した右ヒジは問題なさそうだ。

 ロスチャイルド投手コーチがキャッチボール相手のかたわらに近づいたあたりで距離を縮めた田中は、バッテリー間ほどになるとセットポジションやノーワインドなど、ピッチングさながらの投球へとチェンジ。全力ではないもののスライダーやカーブなど変化球を織り交ぜ、ロスチャイルド・コーチに“生”で順調な回復を見せた。

 キャッチボールを終えると再び施設に入り、およそ2時間後に引き揚げた。帰る際には、ゲート近くに詰め掛けたファンに手を振るシーンもあった。

 田中はバッテリー組が集合する20日(同21日)までマイナー施設で練習し、21日(同22日)のキャンプインに備える。そのキャンプの舞台となるジョージ・M・スタインブレナー・フィールドが“進化”していた。メーン球場と隣接するサブ球場との間の敷地を利用してトレーニング室が新設されたのだ。球場内の従来施設より5倍以上のスペースを誇る。このオフは腕や肩といった患部周辺だけでなく、全体を鍛えてきた田中は大歓迎だろう。

 終始笑顔で過ごした田中のタンパ1日目。首脳陣も、胸をなでおろしたに違いない。