広島・緒方監督がエース・前田を開幕投手に“公開指名”した。赤ヘルナインは31日、春季キャンプに向けて宮崎・日南入り。到着後の全体ミーティングで指揮官が動いた。全選手、スタッフが出席する中で「その(開幕投手をやる)つもりで頑張ってくれ」と右腕に通達したのだ。

 緒方監督は「何が起こるか分からない。大瀬良や黒田(前ヤンキース)も『俺にやらせてくれ』と言ってきたら悩む。断言はできない」と、アクシデントなども含めてあくまで現時点での内定であることを強調しつつ、この通達について「うちは前田健太がエース。テレビのインタビューでも『優勝します』『黒田さんが帰ってきても譲れない』と言っているので」と理由を説明した。

 ただ、この異例とも言えるキャンプイン前日の指名の裏には、指揮官の思惑があった。黒田の復帰により開幕投手争いがシ烈になることで、報道が過熱する可能性もあった。今回の通達はそんな状況を抑え、両者の調整をスムーズにさせるための配慮とも言える。

 過去最速で自身5度目の大役を任されたマエケンは「ビックリした。プレッシャーもあるし、責任感も増すがありがたいこと。より一層、気持ちが強くなった。しっかりと期待に応えられるように頑張りたい」と気合十分だ。

 24年ぶりのリーグ制覇に向けて動き出す緒方カープ。重要な今季最初のマウンドは、早くも前田に託された。