黒田の広島復帰はマエケンにはメリットだらけ

2015年01月15日 16時00分

「チームマエケン」のTシャツを着て自主トレに励む(左)から阪神・藤浪、中田、前田、大瀬良、中崎(以上広島)

 広島のエース・前田健太(26)が8年ぶりとなる黒田博樹投手(39=前ヤンキース)の復帰を小躍りしそうな勢いで歓迎している。場合によっては自らの立場を脅かす存在になりそうだが、実際はまったく逆。このオフのメジャー挑戦を目指すマエケンにとって、黒田は“生きた教材”というだけでなく、ありとあらゆる面でメリットをもたらしてくれる福の神のような存在なのだ。

 

 14日、東京都内で後輩の大瀬良や阪神・藤浪らとの自主トレを公開したマエケンは「体を強く大きくしたい。一人でやるよりもたくさんいたほうが刺激になる」と充実した練習に納得の表情を浮かべた。元エースの黒田の復帰で開幕投手争いはシ烈になるが「自分がやるつもりで準備をしていきたい。久しぶりの地元開幕。せっかく勝ち取れたものなので、こだわりを持ってやっていく。そこは遠慮するところではない」と現エースとしてのプライドをのぞかせた。

 

 ただ、黒田の加入は前田にとっても大きなプラスとなりそう。その一つが、開幕から導入される見通しの先発ローテーションの5人制だ。昨季は厳しい台所事情から新人の大瀬良や九里に開幕直後から頼らざるを得ず、無理を強いないために先発投手を6人で回した。それが今季は中5日でフル回転できる黒田がいるうえ、4月中に2連戦が3度あるため5人で足りる。一般的となっている6人ローテで週1回の登板だと開幕投手は毎回のように他球団のエースと対戦することになるが、1回でもずれればその負担は軽減される。

 

 これまでは赤ヘルの絶対的エースとして「自分が勝ってチームに勢いをつけたい」と獅子奮迅の活躍を見せてきたが、一方で他球団からは「マエケンさえ何とかすれば」と徹底マークを受けてきた。昨季は5月17日の巨人戦で菅野、同23日のオリックス戦で金子、6月4日の日本ハム戦で大谷と3週間の間に日本を代表するエースたちと投げ合ったことがあったが、結果は全敗。そんな状況も黒田とWエースとなることで「いくらマエケンでもエース級とばかり投げ合うのはしんどい。黒田が入れば警戒度も分散されるので負担は減るはず」(球団幹部)だ。

 

 そして何より大きいのはメジャー7年で79勝79敗、通算の防御率は3・45で5年連続2桁勝利と安定した成績を残した黒田の「メジャー流調整」を間近で学べることだ。

 

 マエケン本人も「黒田さんが米国でやっていたことを続けるか分からないが、今までになかったことを知る機会になる。日米野球やWBCでも他の選手を見て『こういうことがあるんだ』と勉強になることがあった。いろいろと聞いて参考にしたい」と話し、生きた教材から学ぶことを心待ちにしている。

 

「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが、黒田の加入で負担は減って勝ち星が増え、チームを24年ぶりのリーグ優勝に導けば念願のメジャー挑戦だって近づくはず。その波及効果はプラスになることばかり。マエケンが黒田の復帰を「すごく大きなこと。せっかくカープを選んで帰ってくることになったので、優勝できるように頑張りたい」と手放しで喜ぶのも当然か。