楽天・則本に複数年契約打診の謎

2014年12月04日 16時00分

バズーカ祝砲を放った則本

 楽天のエース・則本昂大投手(23)が2日、仙台市内の球団事務所で契約更改に臨み、倍増の1億2000万円でサインした。3年目での大台到達は田中(現ヤンキース)を抜いて球団最速。則本は「素直にうれしい。評価に応えられる成績を続けていかないといけない」と笑顔を見せた。一方で、交渉の席では球団側がプロ3年生には異例とも言える複数年契約を打診し、則本が「単年で勝負したい」と拒否する一幕まであった。

 

 通常、球団側が複数年契約を打診するのは、対象選手が国内FA権取得を目前に控えたケースが多い。誠意を示して主力選手の流出を防ぐための措置だが、則本の国内FA権取得は最短で2019年シーズンだ。この不自然なタイミングでの複数年契約の打診について安部井チーム統括本部長は「真の中心選手になれる立場という評価」と説明したが、果たしてそれだけなのか。

 

 ここで引っかかるのが現時点で則本の評価が同時期の伝説のエースを上回っている点だ。田中の年俸は3年目の09年に15勝を挙げて7500万円から1億8000万円まで跳ね上がると、その後は2億円↓3億2000万円↓4億円と右肩上がりだった。安部井本部長は「何年契約など中身は言えない」としたが、このまま則本が田中を上回る活躍を続けたら数年後にいくら払うことになるのか見当もつかない。仮に成績に応じた変動性であっても、ベースの年俸が低いうちに複数年契約を結んでおけばコストを抑えられる…と考えた可能性はある。

 

 球団記録を更新するシーズン7完封をマークし14勝10敗、204三振で最多奪三振のタイトルを獲得した則本は、日米野球第3戦(11月15日、東京ドーム)でメジャー打線相手に5回をパーフェクトに抑えて自信を深めたようで「先発をやっている以上、沢村賞も取ってみたい」と鼻息を荒くしている。球団の複数年提示は底知れぬ怪物ぶりへの警戒だったのかもしれない。(金額は推定)