デーブ楽天「自衛隊流組織論」導入へ

2014年11月04日 16時00分

練習で盛り上がる楽天ナイン(左から松井裕、青山、則本)と笑顔で見守るデーブ監督

 楽天の大久保博元新監督(47)が3日、秋季キャンプを行っている岡山・倉敷市で「自衛隊流組織論」導入を宣言した。昨年は絶対的エース・田中将大(26=現ヤンキース)の“個の力”で日本一に輝いたものの、今年は一転してリーグ最下位に転落した楽天にとって必要なのが組織力。そこで新指揮官は自衛隊をはじめとしたあらゆる組織から“成功の哲学”を学び、チームに反映させていくという。

 

 このオフに初めて一軍監督の大役を仰せ付かった大久保監督だが、そのための準備には余念がなかったようだ。二軍監督時代のある日、宮城・多賀城市にある陸上自衛隊多賀城駐屯地を訪れ、丸一日かけて自衛隊の組織論を学んだという。ただの体験入隊ではない。事前に訪問の趣旨を説明したうえで、組織のあり方を主眼にレクチャーを受けた。大久保監督は「自衛隊は本当に合理的に組織を動かしている。いざという時は陸・海・空で同時に動くわけだし、組織が効率的に動かなければならない。ムダのない組織について学ぼうと思った」と話した。

 

 指揮官が特に関心を持ったのは、命令系統に関する自衛隊流の考え方だったという。球団関係者は「自衛隊ではたとえ指揮官が間違った指令を出しそれに従って部隊が全滅したとしても、命令に従わず助かった場合よりもいいと説明されたそうです」と明かした。

 

 向学心の強い指揮官は産業サイクルの「PDCA」を野球に応用することも考えている。「PLAN」(計画)、「DO」(実行)、「CHECK」(評価)、「ACT」(改善)の頭文字で産業界では常識となっているが、プロ野球にその理論を取り入れ、元監督の「野村ID野球」のように「デーブPDCA野球」として提唱していくという。つまりDチームの結成だ。

 

 大久保監督は「選手一人ひとりがそれぞれ課題をクリアすることで、チーム全体が強くなる」と考えており、秋季キャンプ中には師事する大学教授を宿舎に招き、運動生理学に関する講義もしてもらう。そこまで徹底する背景には「理想とするのは自分が経験した西武と巨人のいいところを取った組織。管理されすぎるのもダメだし自由すぎるのもダメ。それぞれ一長一短がある」(大久保監督)との考えもある。

 

 今キャンプでは28歳以上の選手は午後11時、28歳未満の選手は午後10時と2段階の門限を設定した。指揮官は「ベテランは自覚ができている。オンとオフを切り替えて野球に集中してほしい」と狙いを明かす。

 

 ただ押しつけるだけではなく、幅広く可能性を求めながら一つの方向を目指す――。大久保監督の挑戦は始まったばかりだ。