これぞまさしくアメリカンドリームだ。野球の米国代表として東京五輪の出場権獲得に貢献したフィリーズのルーク・ウィリアムズ内野手(24)が9日(日本時間10日)のブレーブス戦でメジャー初スタメン出場を果たし、0―1の9回二死一塁から逆転サヨナラ2ランを放った。

 地元紙をはじめ、大リーグ公式サイトなどが「チームUSAの英雄からサヨナラ打の英雄に」と賞賛する記事を掲載した。

 ウィリアムズはフロリダ州で行われた米大陸予選で全4試合に出場し、18打数8安打で打率4割4分4厘、1本塁打、4打点をマーク。その活躍ぶりが評価され、大会終了2日後にメジャー初昇格を果たし「(この1週間は)とんでもないことになっていて、これ以上のことは望めません。言葉にすることはできません」とフィリーズの番記者たちに語っていた。

 ウィリアムズはメジャー40人枠に入ったため、東京五輪に出場できなくなった。それでも「MLBでプレーすることは一生の目標で、ずっと夢見てきたこと。日本に行って五輪に出ることが出来たら最高でしたが、私はこちらの方を取ります」と後悔はない。

 8日(同9日)にメジャー初打席で初安打をマーク。10日(同11日)の同カードでも内野安打を記録し、ここまでデビューから3試合連続安打と乗りに乗っている。サヨナラ弾を放った9日には両親が応援に駆けつけていたこともあり、試合後のインタビューでは「自分一人の力でここまで来ることが出来たわけではありません。多くの人に助けてもらいました。家族や友人、(子供時代からの)コーチたち。両親が私にしてくれたことを考えるだけでも、とても素晴らしいこと。みんなに恩返しをするのは大変ですけど、何とかして恩返しをしたい」と声を弾ませていた。