金字塔を打ち立てた。パドレスのダルビッシュ有投手(34)が3日(日本時間4日)、本拠地で行われたメッツ戦に先発マウンドに立ち、5回1/3を90球、4安打2失点と好投。打撃でもメジャー2度目となる2安打と投打の活躍を見せてチームは4―3で勝利し、自身も今季6勝目と日米通算170勝をマークした。
 
 相手を制圧する右腕の投球術にペトコ・パークのスタンドも魅了され、随所で「ユー・コール」が鳴り響いた。ダルビッシュは立ち上がりから安定感抜群でメッツ打線を5回二死まで無安打に抑え込んだ。試合後に自ら「いいところに投げられた」と振り返ったツーシームとカッターを軸にしながら多彩な球種を駆使し、相手を翻弄。だが、4点リードの6回一死からリンドーアの中前打、さらに続くマキャンには追い込みながらも4球目のスライダーを痛打され、左翼席へ2ランを浴びた。その後、スミスに死球を与えたところでマウンドをリリーフ陣に託した。

 その一方、この日は打席でも存在感を見せつけた。2回二死一塁の第1打席で相手先発ウォーカーから左前打、さらに4回一死一塁の第2打席ではバスターで右翼への二塁打を放って好機を広げ、続く1番・プロファーの適時打につなげた。

 この技ありの〝バスター二塁打〟については米スポーツ専門局「ESPN」などで解説を務める「ピッチングニンジャ」こと投球解析アナリストのロブ・フリードマン氏も自身のツイッターで動画を添付し「ダルビッシュほど二塁打を放って驚かれる人はいない」とツイート。これにダルビッシュ自身も反応し、自身のツイッターで「インパクトの瞬間ツバが邪魔で見えなくてどこ飛んだかわかりませんでした」と照れ笑いの絵文字もつけながらコメントしていた。

 そして勝利を飾った試合後の会見で右腕は日米通算170勝達成によって松坂大輔(現西武)、岩隈久志(元巨人など)に並んだことにも言及。「追いつくのは分かっていた」とし「道は違えど同じ勝利の数、勝利の後の夜も同じ数だけ味わってきたという意味ではすごく感慨深いものがある」と率直な思いを語っていた。