6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)に進出するオリックスに“あの人”が熱いメッセージを送った。かつて1995、96年のリーグ連覇の立役者となったヤンキース・イチロー…ではなく、ものまね芸人のニッチロー(36)だ。イチローに心酔するニッチローが本家になりかわって大舞台に臨むオリックスに短期決戦の心得、チームへの思いを語った。

 ――今季のオリックスは大躍進を遂げた

 ニッチロー:選手一人ひとりの意識が昨年までとは違っています。ずっと優勝できていないわけだし、ファンに対しても自分たちに対しても「Bクラスにいてはいけない」という強い気持ちがある。体調管理ができているのも強みですね。イチローさんも故障しなかった。上位にいるという自覚があるから集中力もあるんだと思います。

 ――けん引してきた糸井については

 ニッチロー:レーザービームを見てもわかるようにイチローさんと共通している部分があります。体は糸井選手の方が大きいですが、しなやかさは重なる。あの体なのにスマートですし、移籍してきた時からチームが変わるんじゃないかと思っていました。守備をしている姿、立ち姿が似ている。外野で左打者ですし…。CSでは糸井選手のコメントにも期待したいですね。流行語大賞を狙えるくらいのコメントをギリギリのところで言ってほしい。

 ――そのポストシーズンについてだが…

 ニッチロー:日本ハムは短期決戦に強いイメージがありますね。大谷選手、中田選手…。打線が怖い。一発で状況を変えられる選手が多いので火がついたら手ごわいですよ。

 ――ライバル・ソフトバンクは

 ニッチロー:すごい選手がたくさんいるが、短期決戦は分からないですよ。(オリックスの)若い選手はCSの雰囲気にのまれるかもしれないけれど、それをどれだけ周囲がカバーできるか。強い、弱いは関係ない。体と心の準備ができている方が勝てると思うんですよ。

 ――18年ぶりの日本一のチャンス

 ニッチロー:あのころを知っている選手は少なくなっていても勝ちたい、という意識は同じだと思う。イチローさんも注目が集まっているのを自覚した上でチームを引っ張っていた。精神力も強かった。震災があったし、今回よりプレッシャーが大きかったと思います。CSでいい印象を与えてもらいたいですね。ただ…。

 ――ただ?

 ニッチロー:オリックスは地味な印象がある。CSで勝ったら日本シリーズではユニホームの色を変えてほしいですね。今の色(ホームは上下白、ビジターは上が紺)はどのチームにもありそうな色なんで…。もっと鮮やかなブルーとか。カープは赤、タテジマは阪神ってあるでしょ。視覚的なところも大事。昔のブルーウェーブの色は目を引いた。イチローさんもファッションにはこだわりがありましたから。

 ――そのイチローも注目しているはずだ

 ニッチロー:めちゃめちゃ応援していると思います。オフに帰ってくれば神戸に行ってグラウンドを使っている。当時の熱さをもう1回、よみがえらせてほしいと思っているはずです。

 ――イチローならチームに何と声をかけるか

 ニッチロー:しっかり心と体の準備をしてください、でしょうね。それから、このインタビューが掲載される9月23日は僕の誕生日でもあるし、オリックスが96年に神戸でリーグ連覇を達成した日。イチローさんのサヨナラ安打で決めました。何か運命的なものを感じますよね。

☆ニッチロー 本名=今村健太。1978年9月23日、長野県飯田市出身。パフォーマー、俳優。2009年ごろから路上パフォーマンスでイチローのものまねを開始。11年8月、シアトルでの試合観戦中にインプレーのボールをファウルと間違えて捕ってしまい、警備員に連行される騒ぎを起こす。フジテレビ系「とんねるずのみなさんのおかげでした」などで“完コピ”ぶりを披露。イチロー本人とはいまだ対面はない。