エンゼルスの大谷翔平投手(26)は11日(日本時間12日)に敵地ヒューストンでのアストロズ戦に「2番・投手」で出場し、8回から右翼守備に就いた。リアル三刀流はメジャー移籍後初だ。投手では7回を投げ、1本塁打を含む4安打1失点、3年ぶりの2桁となる10三振1四球。打者26人88球投げ、ストライク62球。勝敗はつかなかった。

 打者では7回先頭で右前打を放ち、4打数1安打だった。守備に就くのは今季2回目だった。チームは1―5で敗れた。

 8回裏、グラブを手にした大谷がマウンドを通り過ぎて右翼へ走るとミニッツメイド・パークの観客はどよめいた。守備位置を確かめると、中堅手・トラウトと言葉を交わした。リアル三刀流は日米通じて3度目。守備機会は1度だけだったが、ディアスの右前打を軽やかに処理した。

 立ち上がり、先頭アルテューベに初球のフォーシームを中前に運ばれたが、落ち着いていた。続くディアスをフォーシーム、3番ブラントリーはスプリットで連続空振り三振。4番アルバレスは3球で遊ゴロで片付けた。低めへの制球が素晴らしく、過去4度の先発では苦しんだ初回をわずか12球で終えた。
 
 2回は1四球を与えたものの、12球。3回は9球で三者凡退。追い込まれてからのスプリット勝負を避けたいアストロズ打線に助けられた面もあるが、スピードは抑え目で制球重視でアウトを重ねた。

 圧巻だったのは4回。先頭の3番ブラントリーのバットをへし折るも打球は中前に落ちて不運な安打となったが、宝刀のスプリットで3者連続三振を奪った。4番アルバレスから奪ったこの日4個目の三振でメジャー通算100三振に到達。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者のツイッターによると「55本塁打、投100三振」はベーブ・ルースらに次いで5人目の快挙だという。

 5回に先頭タッカーに左翼へ先制アーチされるも、その後は内野安打1本に抑えた。6回一死にブラントリーが放った体の正面に飛んできた強烈なゴロをグラブで叩いて勢いを殺して、投ゴロとした。7回の最後の打者ストローからスプリット空振り三振を奪い、今季初の10三振をマークした。

 打者では相手先発マクラーズに2打席凡退で迎えた7回先頭。3度目の対決で1ボールから外角低めのチェンジアップをバットの先ですくい上げて右前に運んだ。9回は2番手の右腕プレスリーに見逃し三振。

 チームを勝利に導くことはできなかったが、三刀流でフル回転できたことは今後にプラス。メジャーの歴史にまた名前を刻んだ。漫画を超えた活躍が今後も楽しみだ。