【ニューヨーク4日(日本時間5日)発=佐藤浩一、カルロス山崎通信員】右肘靱帯の部分断裂で故障者リスト入りしているヤンキースの田中将大投手(25)の実戦復帰プランが「今季中」から「今年中」に引き延ばされる可能性が出てきた。ジラルディ監督は、6日(同7日)にブルペン登板させる意向を示す一方で、今後も一進一退の状態が続くようならば、28日(同29日)までのレギュラーシーズン内にこだわらず、マイナーの秋季教育リーグまで期限を延ばし、実戦登板させることを示唆した。

 田中は午後2時20分ごろにヤンキー・スタジアムのグラウンドに姿を現し、バッテリー間の距離で変化球を交えた軽めのキャッチボールを行った。その後、ダッシュを数本こなすなど、ここ数日と変わらぬ調整だった。

 表情はいたって明るく、順調な足取りを見せてはいるが、その日のコンディションを見ながらの慎重な調整であることには変わりない。ジラルディ監督は、レッドソックス戦前の会見で「土曜日(6日)のブルペンを見込んでいる」と語ったが、“その後”については「何ともいえない。彼次第だ」と言葉を濁した。

 しかし、ブルペン、さらに試合形式のリハビリ登板というプロセスを踏むとなると9月中に復帰のプランはかなり厳しくなる。それでも年内に投げさせることが重要かを問われた指揮官は「我々にとってそれは重要だ。彼はいいプレーヤーだし、(田中も)どれだけシャープに投げられるかを確かめたいと感じていると思う」と断言。そしてこう続けた。

「彼は(年内に)どこかで投げるだろうし、投げないといけない。我々は来年の春季キャンプまでは待てない」。レギュラーシーズン中に登板できなかった場合は、10月上旬から1か月ほどの日程でアリゾナ州で開かれるマイナーの秋季リーグも候補にして、あくまでも年内に実戦登板させる考えだ。

 ここまで「年内」にこだわるのは今オフの補強戦略を考えてのものだ。万が一、「トミー・ジョン手術(靱帯再建手術)」を受けるとなった場合、田中の穴を埋める大物の補強が必要。決断が年明けにずれ込めば、FA戦線などで大きく出遅れ、欲しい選手が獲れないという最悪の事態もありうる。

 田中はいつ、どこで実戦のマウンドに上がるのか。