パドレスのドルー・ポメランツ投手 パーフェクトじゃなくシンプル目指しどん底を抜け出す

2021年04月26日 14時00分

力投するポメランツ(ロイター=USA TODAY)

【元局アナ青池奈津子のメジャー通信=ドルー・ポメランツ投手(パドレス)】「兄は本当に野球がうまかったんだよ。なのに、ちょうどオリオールズに上がったところで腰の問題が浮上して。脊椎固定手術をしたら逆に悪化して、再手術までしてあきらめずに再び挑戦したけど他にも問題が出たりして、結局戻ってくることはできなかった。今は、地元に帰ってピッチングレッスンをしたり。高校出の元野球選手に選択肢はそんなにないから…ハードだよ」

 4歳上の兄、ストゥさんから多大な影響を受けて、プロ入りしたというドルー・ポメランツ。すべてがいいことだったわけではない。

 プロを目指し大学まで野球をした父と、実際にプロで野球をしていたおじを持つことからも、幼いころから野球選手になる夢を抱き、ともに当然のようにその道へ進んだポメランツ兄弟だが、高校からプロ入りしたストゥさんは一時アルコールに依存してしまったり、けがに悩まされたり。マイナーリーグの選手の現実を知るには十分すぎる兄の苦労を見て、大学進学を決めたドルー。

 結果的にインディアンスからドラフト1巡目指名をもらい、兄よりも早くメジャーデビューを果たした。

「兄とは今も昔も仲がいいし、それをしたらどうなるかとか、やってはいけないことは兄から学んだよね。ただ、腰のけがは…この仕事をしていて体に負担がかかりすぎることがあるのは承知しているけど、せめて自分で引き際を決められたのなら…。強制的に野球ができなくなったのは想像以上にきつかったと思う。腕は問題ないんだもん。腰の問題とは一生付き合っていかなきゃなんないし、長いこと、野球の話を僕からするのは避けたよ。自分だったら、嫌だと思ったから。数年前から兄はようやく区切りをつけられた感じはあるけど、かなり大変だったと思う」

 ドルーもまた、兄ほどではないが、けがに悩まされ、先発からブルペンへ転向することにひどく悩み、抵抗したそうだ。

「2016年にオールスターに出て、17年は最高の成績だったんだ。それが18年で大不振。疑心暗鬼になったし、頑張っても頑張ってもダメで。最後、もうパーフェクトを目指すのやめようって。ただ目一杯の力で投げてみようってやったら、ふと感覚が戻ってきたんだよ。以前そんなふうに試した時はうまくいかなかったんだけどね。どうやら成長したみたい」

 ちょうどその転換期に話をした彼。

「いつかは乗り越えられる。だからあきらめずに顔を出して踏ん張るよ」の言葉通り、19年シーズンは就職難だった左腕は、同年11月には引く手あまたの中、パドレスと4年契約。まるで別人のような活躍を見せている。

「今はパーフェクトじゃなくてシンプルを目指すようにしているんだ」と話していたが、2月に妻キャロリンさんとの間に第1子テイト君も生まれ、ますます迷いがなくなった顔をしているように見える。

 ☆ドルー・ポメランツ 1988年11月22日生まれ。32歳。米国・テネシー州出身。2010年のMLBドラフト1巡目(全体5位)でインディアンスに指名されプロ入り。左投げ右打ちの投手。11年シーズン中にロッキーズへトレードとなり、9月11日のレッズ戦でメジャーデビューすると、同試合で初勝利をマーク。13年オフにアスレチックスへトレードとなり、15年オフにパドレスへ移籍した。16年にオールスター初選出。同年7月にレッドソックスへトレード。17年はキャリアハイとなる17勝(6敗)をマークした。19年シーズンはジャイアンツ、ブルワーズと転々とした後に同年オフにパドレスと4年契約を結んだ。

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