【ニューヨーク発】右肘靱帯の部分断裂で故障者リスト入りしているヤンキースの田中将大投手(25)は31日(日本時間9月1日)、ヤンキー・スタジアムでキャッチボールと右腕強化トレーニングで汗を流した。29日(同30日)に右腕の張りを訴えた田中は、前日トロント遠征中のチームを離れ、ニューヨークに戻った。ブルージェイズ戦を前に会見したジラルディ監督は、当初は6日(同7日)に再開予定だったブルペン投球を前倒しして4日(同5日)に行うと明言。同時に、1日(同2日)にヤンキー・スタジアムでチームドクターの診察を受けることを明かした。

 指揮官は「我々が今、最小限知りたいことは通常のステップを踏んでどう回復するか把握すること。もう9月になるがこれまで通りリハビリを進めるだけ。(手術はあくまで)肘に再び痛みを感じたときだ」と語った。

 仮に、4日のブルペン投球から中4日ペースで調整し打撃投手を1回、2度の実戦リハビリ登板を経ると、復帰は最短で本拠地最終戦の9月25日(同26日)のオリオールズ戦だ。田中は「もちろんそうですよ。シーズンをやっている限りそれは」と今季中の復帰に意欲を示しているが、25日に戻ったとしても28日(同29日)でレギュラーシーズンの日程が終了するため、登板機会は1回のみとなる。ワイルドカードを巡るヤ軍の戦いも終了している可能性が高く、田中がどうしても必要という局面ではなさそう。それでも首脳陣は復帰させる考えだ。

 経過は良好とはいえ、田中がトミー・ジョン手術(靱帯再建手術)を受ける可能性が消えたわけではない。踏み切れば、最低でも1年以上のリハビリ期間が必要。来季開幕後に手術という最悪の事態を招かないために、今季中に1度登板させ、状態を見極めたいのだ。

 ニューヨークに戻る直前、田中は「自分としてはこの1週間で変えられるのではないか(と思う)。根拠は?といわれると難しいですけど、そういう時間をもらって、という感じです」と明かした。完全な状態での復帰を期待するが…。