ヤンキース田中 フォーム改造“中間報告”

2014年08月23日 11時00分

【ニューヨーク22日(日本時間23日)発】右肘靱帯の部分断裂で故障者リスト入りしているヤンキース・田中将大投手(25)が、“新投球フォーム”に行き着くまでの思いを打ち明けた。柔軟な発想と身体能力で、右肘に負担のかからないフォーム固めに取り組んでいるが、さすがの田中でもすんなりと落ち着いたわけではない。かつてない状況に立たされた右腕が直面した“難点”とは――。

 

 

 この日、2日ぶりにグラウンド上で体を動かした田中は、ロスチャイルド投手コーチとおよそ5分ほどのキャッチボールを行った。コンパクトなテークバックからゆっくりとボールをリリース。時折、強く投げるような動きもしながら感触を確かめた。その後はダッシュを数本こなし、屋外での練習を終了した。


 23日(同24日)にはライブBPで打撃投手を務める。肘への負担を考えた新しい投球フォームが「対打者」という状況でも使えるのか――。実用性を試す意味でも大事なステップとなるが、田中にピリピリした様子は一切ない。


 以前から数種類の投球フォームが頭にインプットされており、体調やコンディション別に使い分けることで安定した成績を残してきた。今回の投球フォームに関してもそう。


「こうやってみたらどうか、といういくつか考えていたものをやっている。(フォーム改造は)そこまで大変ではないですよ」(田中)と、簡単に言ってのけた。


 まさに「危機管理」のたまものだが、多少の戸惑いもあったようだ。それはフォームを改造する“一番の目的”が変わったことだった。


 これまで前提に必ずあったのは「いいボールを投げるためにどうするか」だった。イメージしている軌道、キレ、そして勝負できるボールを追求し、自身のコンディションと照らし合わせながら、そのときのベストな投球フォームを選んできた。しかし、今回は違う。「肘への負担を軽減するため」が初めて前提となったのだ。

 

 


 田中もその発想の違いを自覚していた。「今までも、球筋(質)とかも考えて(フォーム作りを)やっていましたが、『体の負担』ということも考えてはいたんです。でもそれが一番目にくることはなかった。そういう意味では初めてではありましたね」。フォームを考える際の“優先順位”が変わったことに、苦心したようだ。


 患部の状態を見ながらの調整とはいえ、ここまでのリハビリは順調そのもの。打撃投手を務めたあと、何も問題がなければ早速マイナーでの実戦登板へと移る可能性もある。固まりつつある新フォームが、実戦で披露される日はそう遠くなさそうだ。