田中 新フォームで35球「肘を怖がって投げてはいない」

2014年08月22日 05時10分

【ニューヨーク20日(日本時間21日)発】右肘靱帯の部分断裂で故障者リスト入りしているヤンキースの田中将大投手(25)が、本拠地ヤンキー・スタジアムでアストロズ戦の試合前に故障後2度目のブルペン投球を行った。セットポジションを交え35球、宝刀スプリットを含め全ての球種を投げた。練習後には「肘を怖がりながら投げていない」と明言するなど回復ぶりをアピール。9月中の復帰に向け、順調な姿を見せた。

 田中はマウンドの感覚を楽しんだ。ジラルディ監督、ロスチャイルド投手コーチ、チームトレーナーが見守るなか、田中は捕手が立った状態で10球投げると、早速カーブを1球。その後、捕手が座ると初球は右打者の外角低めへフォーシームをズバリ。2球目、3球目も外角低めを突いた。4球目から3球続けて内角低めへ。7球目からはツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップ…と投げ分けた。故障後初めてブルペン入りした16日(同17日)はフォーシームのみ25球だった。

 右肘への負担を減らすためのコンパクトなテークバック、体をやや三塁側に向けた状態から投球動作に入る“新フォーム”。20球目からはセットポジションも交えた。時折、強めに腕を振って投げるなど、少しギアを上げた状態も確かめた。28球目からはノーワインドアップとセットポジションで、“宝刀”スプリットも披露。最後は右打者の外角低めのフォーシームで締めた。合計35球の試運転。不安は感じなかった。

 練習後、報道陣に対応した田中は復帰への手応えをこう話した。

「投げる感覚はもちろん、変化球は久しぶり。特別いいっていうわけではないですけども、まずまず全ての球種を投げることができたと思う。次はどういう形になるかわからないが、どんどん試合レベルでの球にしていければいいかなと思います」

 久しぶりに右肘に負担をかける恐怖は感じたのか。「肘の怖さとかは感じながら投げているわけではないので、その辺は大丈夫です」とキッパリ。その一方で自分を客観的に見ている。現在のコンディションを“春季キャンプの前半くらい”と形容した報道陣の質問に「そんな感じですかね」とうなずくと「(明日以降)肘の状態もどうなるかもわかりませんし、そこは注意しながら。これから先、まだまだゲームに入っていくなかでクリアしなきゃいけない問題もある。そんな急ぎすぎずやっていくなかで、早く復帰できればと思います」と気を引き締めた。

 ここまで順調だが、メジャーのマウンドに戻るまでクリアすべき壁はいくつもある。周囲は9月上旬の復帰に期待を寄せているが、投球の強度を上げるなかで右肘は再び悲鳴を上げることはないのか。“新フォーム”を完成させることはできるのかなどだ。さらなる課題を問われた田中は「球(質)の問題、試合での感覚もある。それはできるだけ試合に近づけていく環境でやらないと戻ってはこないと思う。今は意識しすぎずやっていけたらと思います」と慎重な姿勢を見せた。

 また一つ復帰への段階をクリアしたエース。背番号「19」がメジャーのマウンドで躍動する日は近い―。そう確信させるブルペン投球だった。