米大リーグ機構(MLB)は14日(日本時間15日)に提携する独立リーグのアトランティック・リーグで2つの新ルールを試験的に導入すると発表した。先発投手の降板でDH制が解除される「ダブルフック」を5月27日(同28日)の開幕から、投球板を1フィート(30・48センチ)後退させる投本間の距離の変更を後半戦開始の8月3日(同4日)から試行する。

 ダブルフック制は先発投手を長く投げさせ、DH解除後の戦略をより価値あるものにすることが目的。先発投手が降板するとDHが解除され、その打順に投手が入る。投手交代、代打起用などで采配の妙が楽しめそうだ。また、ナ・リーグでも先発投手の打席が回避されれば負傷が減少するメリットがあるとして歓迎されると想定している。

 一方、投球板の後退による投本間の距離の伸長は、15年連続で増加している三振率を減少させるためだ。MLB公式サイトによると、2008年に91・9マイル(約148キロ)だったフォーシームの平均球速は今季はこれまで93・6マイル(約151キロ)にアップ。また05年に16・4%だった三振率は12日(同13日)までで24・9%だ。

 現在は60フィート6インチ(約18・44メートル)の投球距離を、61フィート6インチ(約18・75メートル)に変更。これにより打者の投球に反応する時間がわずかながら長くなり、三振数が減少するだろうとMLBは予測している。

 将来、MLBで採用されることになるのか。注目だ。