速球投げた田中 リハビリは「第4段階」に

2014年08月15日 06時30分

【メリーランド州ボルティモア13日(日本時間14日)発】右肘靱帯の部分断裂で故障者リスト入りしているヤンキースの田中将大投手(25)が平らなグラウンドでの投球練習を開始した。キャッチボール相手を務めたロスチャイルド投手コーチを座らせて10球。これで、投球再開から10日目にしてリハビリは「第4段階」に入った。患部の状態が良好であるからこそ実現できているハイペース調整。だが、その一方でエースの前には“大きな壁”が立ちふさがっている。

 田中はこの日、オリオール・パークで行われたオリオールズ戦の試合前にグラウンドに姿を見せると、外野の芝部分でキャッチボールを開始。ロスチャイルド投手コーチを相手に塁間の約27メートルまで距離を延ばし肩を慣らした。

 ある程度球数を投げると、約18メートルに距離を縮め両手で「座ってください」のジェスチャー。立てひざの状態になった同コーチに速球を10球投げ込んだ。ノーワインドアップから5球、続いてセットポジションで3球。最後は再びノーワインドアップを2球投げてこの日の練習を締めくくった。全て直球だった。

 にこやかな表情で引き揚げた田中はウエートトレーニングを終えると、患部を入念にアイシング。その後、日米両メディアに対応した。投球練習について「ウオーミングアップは決められていなくて、自分の必要なだけ投げて、フラットで10球投げるっていうことでした」と予定通りのメニューであったことを説明。患部の状態については「大丈夫だから、徐々にやることが変わっている」と絶好調であることを明かした。

 4日(同5日)のキャッチボール再開から10日目にして早くも到達した平らなグラウンドでの投球練習。前日には雨のため球場内のコンコースで距離を約37メートルに延ばしているが、“第3段階”を“ほぼスキップ”しての“第4段階”突入だ。

 田中自身は「その日その日の(患部の)状態を話して、っていう感じですね。患部の状態が一番なので、無理やり合わせても、しようがない」と話すが、この状態ならば、次の遠征地・フロリダ州セントピーターズバーグ(現地時間15日からのレイズ3連戦)で“第5段階”のブルペン入りが現実味を帯びてくる。遅くとも来週は本拠地ヤンキー・スタジアムで、マウンドの傾斜を使った投球練習を行えるだろう。そうなれば“第6段階”の打撃投手もメニューに組み込まれる。

“第7段階”の実戦登板に向け、今週から来週にかけて一気にメニューが消化されることが予想される。それほど、田中の右肘は万全の状態に近づいているのだ。

 そんなエースの懸念材料を強いて挙げるとすれば、投球フォームの改造だ。田中は故障の再発防止のため、試行錯誤中。「おおまかにしか言えませんけど、変えるところは変えないといけない。変わっていかないと」。右肘への負担を減らすテークバックの形を探っている。

 とはいえ、今季の田中は常にフォームに関して「しっくり来ていない」と話していた。本当に「これ」というフォームを見つけることは簡単ではないだろう。しかし、より高みを目指す田中はあえて苦行にチャレンジしているのだ。

 闘争心が芽生えてきたかの質問に「うーん、ないですかねえ。まだそういう段階ではないと思いますし。自分のやっていること自体、練習が練習なんで。まだそういう部分はないです」と答えたものの、田中に焦りの色はない。新フォームで完全復活する日が待たれる。