「反動ない」田中はナインと笑顔でグータッチ

2014年08月06日 05時00分

【ニューヨーク4日(日本時間5日)発】27日ぶりに投げた!! 右肘靱帯の部分断裂で戦線離脱中のヤンキースの田中将大投手(25)が本拠地ヤンキー・スタジアムでキャッチボールを再開した。この日は最長約20メートルの距離で25球投げ、計50球。ランニングも行うなど、今季これまで行ってきた登板間と同じメニューをこなした。

 ついに復帰への第一歩を踏み出した。田中はこの日のタイガース戦の試合前、午後1時30分すぎに半袖・短パン姿でグラウンドに登場。右肘の痛みを訴えた7月8日(同9日)のインディアンス戦以来、27日ぶりとなるキャッチボールを行った。

 投球再開初日。「投げる前まではワクワクしていました」という右腕に与えられたのは「約20メートルの距離で25球」というメニューだった。ヤ軍・ロスチャイルド投手コーチを相手に、距離は約5メートルから始まり、徐々に間隔を広げ、最長約20メートルで25球投げた。肩慣らしも含めて合計50球。右肘、そして久々のボールの感触を楽しんだ。

「久しぶりですし『イージーにやれ』と言われていたんで。登板後翌日くらいの軽めのものです。まず久しぶりにボールを投げられたので、いい時間が過ごせたなと思います」。右肘に違和感はなかった。山なりの球ではあったものの、田中は“投げられる喜び”をかみしめた。

 グラブを外すと、外野で右翼と左翼のポール間走で汗を流した。先月14日(同15日)に自身の血小板を注射するPRP治療開始直後は禁止されていた「外でのランニング」も解禁。「基本的には登板間と同じことをやっています」とランニングに関しては通常メニューだった。

 練習中にはトレード期限の先月31日(同8月1日)にタイガース、レイズ、マリナーズの三角トレードでレイズからタイガースに移籍したばかりのデービッド・プライス投手と談笑する場面も。2012年のサイ・ヤング賞左腕とは昨年末にツイッターでやりとりしてからの仲だ。自身の順調な回復を確認できたことに加え“親友”との再会もあり、エースは終始、穏やかな表情。

 クラブハウスに戻ると、さらにモチベーションが高まる出来事が起こった。ヤ軍ナインや、チーム関係者たちが次々にロッカーを訪れ「大丈夫か?」と声を掛けてきたのだ。チーム全体がエースの復帰を待ちわびているという雰囲気をひしひしと肌で感じた。田中は全ての問いに「イエス」「グッド」と笑顔でグータッチを返し、周囲の気持ちを受け取った。

 そんなチームのムードに応えるべく、早期復帰を実現したいところだが、焦りは禁物だ。田中も「繰り返してもしょうがないので、しっかり治す方を優先したいです。中途半端に戻って、またその試合迷惑かけて、また離脱っていうのが最悪だと思う。一日も早く良くなることが一番ですけど、焦らずしっかり治してまたいい状態で上がれるようにしたいと思います」と自身に言い聞かせるように話した。

 復帰へ好スタートを切ったエースは5日(同6日)もキャッチボールを行う予定で、やや強度を上げるという。「今日の強さでは(反動は)何もないんじゃないですかね」と話した通り、この日の練習は投球プログラムを含めたリハビリのデモンストレーション。右肘への影響を見て、今後のプランを組み立てるのは6日(同7日)以降となりそう。

「ひとつステップアップできたということでホッとしています。これから投げる距離、強度が上がっていくと思いますけど、今日はその第一歩かなと思います」と笑顔を見せた田中。リハビリが順調に進み、今季中にマウンドに戻ってくることを祈るばかりだ。