愛弟子の私に明かした闘将の「反攻」と「松井裕育成」

2014年08月07日 16時00分

蹴りのスピードもアップしたという星野監督。転んでもタダでは起きない

 リーグ最下位の楽天が泥沼から抜け出せない。3日の西武戦(コボスタ宮城)に2―7で敗れ、これで後半戦から4カード連続負け越し。胸椎黄色靱帯骨化症などの手術から7月25日に現場復帰した星野仙一監督(67)は、低迷の現状をどうとらえているのか。“闘将の愛弟子”でもある本紙評論家・前田幸長氏が復帰したばかりの恩師を直撃した。

 

【前田幸長 直球勝負】闘将節は健在だった。腰痛の手術とリハビリを経て現場復帰した星野監督と話をした時の印象だ。監督室で白い歯を見せながら「前は足が組めなかったんや」とリラックスして座っている姿を見てホッと一安心した。だが、その後にボソッと漏らしたひと言には一転して背筋が凍った。

 

「蹴りのスピードが増したわ」。私にとっては中日時代の恩師。“鬼よりも怖い”と思った当時の心境が鮮明によみがえった。あの時を思い起こさせるほど元気になったのは、喜ばしい限りだ。しかしチームの現状について尋ねてみると、途端に表情が険しくなった。

 

 星野監督:去年の戦力から田中(将大=現ヤンキース)とマギー(現マーリンズ)が抜けてその見返りがない。特にマギーの抜けたダメージが大きかった。今後は上位イジメしかないな…。

 

 それでも、さすがは闘将。「このまま終わるわけにはいかん」と声を張り上げ、目の奥に炎をのぞかせた。苦しい戦いを強いられながらも、胸のうちで将来に向けたビジョンはしっかりと思い描いているようだ。そこで気になっていたドラ1位左腕・松井裕についても聞いてみた。

 

 星野監督:松井裕樹は使い続ける。ストライクゾーンに投げられるようになって、ある程度の手応えは感じている。

 

 同感だ。加えて言わせてもらうなら、松井裕にはもっと苦労をしてもらいたいと思っている。一級品の素材は、苦難を乗り越えてこそ磨かれるというもの。まだまだ一軍の一流打者にはコテンパンにされるかもしれないが、その悔しさを成長の糧にして、来季以降に倍返しすればいい。星野監督も、同じ思いを抱いているはずである。

 

 ルーキーの成長とともに、体調万全となった闘将の逆襲もしっかり見届けたい。 (本紙評論家)