【テキサス州アーリントン29日(日本時間30日)発】レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が前日のヤンキース戦に先発し、7回2失点で10勝目(6敗)を挙げた。入団から3年連続2桁勝利は球団史上初で日本人投手では1995~97年の野茂英雄(ドジャース)以来の快挙だ。同時に日本人投手メジャー700勝目となった。ガードナーに2打席連続被弾するなど9安打を浴びながらも、8三振を奪う力投。7回二死二、三塁の一打同点の場面ではマキャンを膝元に食い込むカットボールで空振り三振に仕留め、マウンドでほえた。降雨のため5回コールドゲームとなり、2失点で負け投手となった23日(同24日)の雪辱を果たした。

 一夜明けてテキサスの主要2紙は電子版でこそダルビッシュの写真を掲載して力投をそれなりにたたえたものの、紙面では寂しい扱いだった。ダラス・モーニング・ニューズ紙はスポーツ1面で「ダルビッシュは希望を供与」と大きく見出しを立てたものの、メーンのカラー写真はヤ軍のジーター内野手と来訪を歓迎するファンのフィーバーぶりだった。

 記事は今季のプレーオフ進出が絶望的なレ軍にあって、ダルビッシュの存在は来季以降への希望となるだろうという趣旨。「支配者というより職人らしさが際立ったが、それでもうまく対処した」と粘投を評価。しかし一方で「まだ困難を乗り越えていない」と最近の投球を心配する意見も加えていた。

 スター・テレグラム紙は、決勝打を放ったアレンシビアが主役。「アレンシビアがYUを助けた」と脇役だった。それでも「メジャーでの最初の3年間でいずれも10勝以上を稼いだレンジャーズ史上初の投手となった」と紹介。7回のピンチを切り抜けた時にグラブを叩き、何度もほえたことについて、ワシントン監督の「あれは闘争心の表れの一例に過ぎない。緊迫した場面を抑え興奮するのは当然だ」との談話を引用し、力投を称賛した。