【ニューヨーク21日(日本時間22日)発】レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が後半戦初登板となる23日(同24日)のヤンキース戦に向け、ヤンキー・スタジアムでブルペン入りした。練習前には球宴で再会を果たせなかったヤ軍の田中将大投手(25)と“密会”。グラウンド上では黒田博樹投手(39)と約5分間、会話に花を咲かせた。右腕は野茂英雄(ドジャース)以来となるデビューから3年連続2桁勝利に挑む。

 ダルビッシュはこの日、ヤンキー・スタジアム入りすると、クラブハウス裏で右肘靱帯の部分断裂で戦線離脱中の田中と“密会”。「練習前に会いました。印象? 何もないです。変わらないでしょ。背が伸びたわけじゃないんだし」と会話の内容はけむに巻いたが、患部以外の箇所のトレーニングを行うなど、我慢の日々を送る弟分を激励したようだ。

 その後、グラウンドに姿を見せると、今度はキャッチボール中の黒田のもとへ駆け寄った。身ぶり手ぶりを加えながら約5分間。キャッチボールの手を止めて対応した先輩と会話に花を咲かせた。

 ブルペンで23球を投げた右腕は短ダッシュで汗を流し練習を終了。自軍の打撃練習で球拾いをする前に、日米両メディアに取材対応した。

 米メディアからは、やはり田中に関する質問が飛び交った。「彼の肘のケガはショックだったと思うけど、ケガを防ぐ方法はあるのか」と聞かれたダルビッシュは「それは言ったでしょ。オールスターの時に。(ケガを防ぐには)いっぱい問題があるから簡単には言えない。その話は終わりで」とシャットアウト。球宴前日には田中のトレーニング法や、中4日登板が主流のメジャー式に警鐘を鳴らしていたが、この日は口をつぐんだ。

 前半戦最後の登板を勝利で飾ったダルは23日(同24日)の試合に勝てば、日本人投手では野茂以来となるデビューから3年連続2桁勝利となる。ヤ軍の“レギュラー”となったイチローとの対戦も濃厚だ。安打製造機を抑えないことには白星も見えないが、ブルージェイズ・川崎との対戦には「楽しみ」と話していたダルビッシュも相手がイチローとなると話は別のようで…。「川崎さんほど、“ずっと仲が良い”というわけではないですし…。先輩ですから。そんなこと(軽々しく)言えません」。大先輩に対して恐縮気味だった。

「ずっと続けて結果を残すっていうのは、体ともちゃんと向きあって、自分の体のことも知らないといけない。すごく難しいことですけど、自分が健康でいられることはよかったと思います」と話したダルビッシュ。ストイックに自己管理を続けてきた日本人最強右腕は“リーチ一発”で史上2人目の快挙を達成する。