【ニューヨーク20日(日本時間21日)発】ヤンキースの黒田博樹投手(39)はヤンキー・スタジアムで行われたレッズ戦に先発。6回2/3を3安打1失点(自責点0)と好投してチームの3連勝に貢献したものの、救援陣が同点に追いつかれ今季7勝目はならず。メジャー通算200試合目(先発199試合)のマウンドを白星で飾ることはできなかった。右肘靱帯の部分断裂で離脱した田中将大投手(25)の思いも背負っていただけに残念そうだった。

 前半戦最終登板から中8日。黒田の後半戦初マウンドはレッズのエース右腕・クエトとの投げ合いとなった。序盤から飛ばした。「相手がああいう投手なんで、先に点をやらないプラス、攻撃にもリズムをもたせないと」。初回は圧巻の三者連続三振。スライダー、スプリットを駆使し、11球で終えた。3回に一死二塁とこの日初めてのピンチを迎えるも、中堅・エルズベリーの守備に助けられ無失点。4回一死二塁もペーニャを空振り三振、ヘイシーを遊ゴロに仕留めた。

 5回に二塁・ロバーツの失策から先制点を奪われたものの、最少失点で切り抜けた。その裏に味方に2―1と逆転してもらうと、6回を三者凡退できっちり締めた。7回二死を取ったところで球数が99球となり交代。4万3115人の本拠地のファンはスタンディングオベーションを送った。

 ところが、2番手のベタンセスが8回にまさかの被弾。7勝目は消えた。「まあ、今年はね。何試合目ですか? 勝ちが消えたのは。デジャブのようですね」。珍しく悔しさをにじませた。

 ヤ軍先発陣で開幕からローテーションを守っているのは黒田だけだ。離脱中の田中からは故障者リスト入り直後に「ご迷惑をおかけします」というメールを受け取った。「彼にしかわからない、いろんなものを背負いながら投げていたと思う。ケガは仕方ない。帰ってくることを待つしかない」。“弟分”に代わり、チームの屋台骨を支えることを誓っている。

 黒田は「アプローチを変えずにやれることをコツコツやっていけば、いつかいいことがあると思う。野球以外かもしれないですけどね」と自虐的に笑った。後半戦のヤ軍は黒田次第だ。