エンゼルスの大谷翔平投手(26)は11日(日本時間12日)にアリゾナ州テンピで行われたジャイアンツとのオープン戦に「3番・DH」で先発出場し、オープン戦初出場から5試合連続安打をマークした。初回に左前打、3回に遊撃内野安打を放つなど3打数2安打だった。試合は7回制でチームは4―5で勝った。

 第1打席は初回無死無走者で回ってきた。トラウトの先制2ランの余韻が残る中、相手先発でメジャー通算128勝の右腕クエトの初球、内角への速球を左方向へ強打。痛烈な打球は大谷シフトでがら空きの三塁線を破った。二塁をうかがったが左翼手が好返球、大谷はコーチの指示に従いヘッドスライディングで一塁に戻った。日本ハム時代は禁止され、エンゼルス移籍後もほとんど見せておらず珍しい。

 二死後、6番プホルスが左翼線を破る二塁打。大谷は二塁を蹴ると加速して一気に本塁を狙ったが、左翼手―遊撃手―捕手と完璧な中継でタッチアウトになった。

 試合後、マドン監督は「翔平がホームでアウトにはなったけど、あの走りはすごく良かったよね。スライディングして、泥を払いながらダグアウトに戻ってきた時の野球選手ならではの風貌に感動したよ」と褒めた。

 4回二死無走者はクエトと2度目の対戦。カウント3―1から5球目の外角球を流し打ち。三遊間最深部へ飛んだゴロを捕った遊撃手が一塁に投げたが間一髪でセーフ。遊撃内野安打とした。マルチ安打は2度目だ。

 5回先頭は3番手の右腕マルテとマッチアップ。1ボールからの2球目、低めの速球を振り抜くと弾丸ライナーは中堅左へ。しかし、打球を追った中堅手ダガーが最後は伸び上がるようにして好捕した。

 今年初の3安打とならなかったが、FOXスポーツ・ウエストの実況アナウンサー、テリー・スミス氏は「大谷のバットは焼けるように熱い!去年のように全部を引っ張らないというのも調子の良い証しだ」と絶賛した。

 投手では早くも100マイル(約161キロ)をマーク、打者としては438フィート(約143メートル)の特大弾を放ち、この日は赤い稲妻のごとき快足を披露した。「SHOWTIME」を実践する大谷。今季は楽しみだ。