【ジョージア州アトランタ発】マリナーズの岩隈久志投手(33)は4日(日本時間5日)、敵地でのブレーブス戦に先発し、7回を6安打無失点、7奪三振、無四球で4勝目(2敗)を挙げた。ここ2試合、一発攻勢を浴びて連敗している岩隈は慎重にゲームに入ったが、立ち上がりは速球が140キロ前後と走らず、制球も定まらず苦しんだ。

 初回、先頭のヘイワードに真ん中高めのフォーシームを右前に運ばれる。2者連続で三振を奪ったものの、4番のJ・アップトンに外角のフォーシームを右前にはじき返されて一、三塁のピンチ。5番・ギャティスを三ゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。2回は先頭のジョンソンに右前打されたが、得点は許さず。3回は三者凡退に抑えたものの、ここまで56球を要した。岩隈にしてはかなり多い。明らかなボールが多かった。

 しかし、4回に味方打線に1点を先制してもらうと4回からはガラリと変わった。フォーシームが低めに決まり、スライダー、スプリットも切れるようになった。4回、5回は三者凡退。6回は先頭打者に安打を許したものの、後続を抑えた。7回も無失点で切り抜けると、この回でマウンドを降りた。すると8回に1点を追加。最後は守護神・ロドニーが締めて逃げ切った。

 岩隈は「先制点を与えずに粘り強く投げられた。高めのボール球を見せたり、低めに丁寧に投げたり、ホームランを打たれずに抑えることができた。やっと自分の投球ができた」と安堵の表情。

 この日を無失点に抑えたことで岩隈の防御率は2.66となった。規定投球回数(59)には8回1/3足りないが、ア・リーグの7位に相当する。2.06でトップのヤンキース・田中、2.08の2位のレンジャーズ・ダルビッシュと三つどもえのタイトル争いも楽しみだ。