【ニューヨーク発】ヤンキースの田中将大投手(25)は次回登板となる5日(日本時間6日)のアスレチックス戦に向けブルペン入りした。前回登板の5月31日(同1日)のツインズ戦では、数字的に相性の悪かった中5日でのマウンドでも8回1失点(自責点0)と好投し8勝目をマーク。登板間隔の違いに戸惑うことはないというエースはすでに調整法を確立。その名も“ふんわりブルペン”だ――。

 2日(同3日)、ヤンキー・スタジアムで行われたマリナーズ戦の試合前。チームの打撃練習が始まる前にいつも通りにグラウンドに姿を現した田中は、外野で入念にランニングすると、キャッチボールで肩を温めた後ブルペン入りした。ゆったりとしたフォームから軽めの投球で計31球。その後は体のケアに努めた。

 前回はメジャー移籍後数字を残せていなかった中5日での登板でも好投した。それまで4試合で29回、防御率1・86の「中4日」に比べ、「中5日」は4試合で26回2/3、防御率3・38と成績が悪かった。実は基本的に中6日での登板が続く日本時代も中5日で結果が出ないことが多く、楽天のチーム関係者の間でも「たまたまなんだろうけど、なんでだろう?」と不思議がる声は多かった。

 そんな“マーの七不思議”について田中は「全然意識していなかった」と話す一方で、メジャーでの登板間隔については「もう、どちらでも合わせられます」と何日間空こうがアジャストできるという自信を口にした。

 これだけキッパリ言い切れるのも、調整法を確立できたから。特に注目すべきなのが、海を渡って以来、自身の体と相談してコツコツ実行してきた“ふんわりブルペン”だ。

 この日もそうだったように、米国での田中はブルペンで全力投球をしない。登板間隔が短いため軽めに調整するのは当然とはいえ、中6日登板だった日本では登板2日前にブルペン入りし、試合さながらの投球で約30球を投げてきた。同じ球数とはいえ、まったく違う調整法だ。それがデビューから約2か月がたち、エースにとって日常の行動になった。「こっちに来てから、ずっとその方法でやってきた」(田中)ことで、メジャー流が体になじんできたというわけだ。

 もはや押しも押されもせぬメジャーリーガーとなりつつある田中。前日の時点で35勝22敗と今季ア・リーグ最高勝率の6割1分4厘で同西地区首位を走るア軍にとっても大きな脅威であることは間違いない。