連勝は止まったがオリックス・西の直球は江川クラス

2014年05月30日 16時00分

今季初黒星の西

<宇野勝 フルスイングの掟>パ・リーグ首位のオリックスは28日の中日戦(ナゴヤドーム)に0―1で敗れた。先発・西勇輝(23)は8回3安打1失点と好投しながらも打線の援護なく、開幕からの連勝は8でストップ。チームも連敗で2位・ソフトバンクとは1ゲーム差となったが、本紙評論家の宇野勝氏は西の投球に往年の“名投手”を重ね合わせ、オリックスの勢いはまだまだ続くと断言した。

 

 開幕8戦8勝はダテじゃない。この日の西の投球を見てそう思った。フロックなんかじゃないと確信した。変化球は大きなスライダーとカット系、そしてシュート。キレもあるし、そのコントロールが素晴らしい。9試合を投げて四死球8という数字も納得だ。

 

 何よりもストレートの質が良い。球速は145キロほどだが、初速と終速の差がほとんどない。いわゆる伸びのある球というやつだ。いくら150キロを超えても終速が遅ければ打者は対応できる。しかし、西のストレートは打者が打ちに行って「捉えた!」と思ってもファウルになってしまう。

 

 ストレートに合わせようとすると今度は変化球でスッとかわされる。このストレートの質は巨人の江川卓さん(現評論家)と同じ。狙ってもなかなか捉えることができない質のボールだ。それに右投手にしては珍しくプレート板の一塁側ギリギリを踏んで投球する。あれはシュートを生かすための工夫だろう。特に右打者には、より角度がつくため効果的と言える。

 

 オリックスには、この西に加えてエースの金子もいる。優勝争いをしていて1番怖いのは大型連敗だが、2人しっかりした先発がいれば、その危険性は少なくなる。これは大きい。先発だけではなくリリーフ陣も中継ぎの佐藤達、比嘉、馬原、抑えの平野佳と盤石だ。 打撃も糸井の存在が大きい。打線というのは1人しっかりした軸がいると周囲は安心してやれるものだ。今年の糸井にはそうした信頼感がある。糸井を中心にヘルマン、ペーニャ、坂口、T―岡田。投打のバランスは非常に良いと言えるだろう。

 

 ここ数年、優勝争いをしていないことを不安視する声もあるかもしれないが、糸井は日本ハムで優勝を経験しているし、森脇監督もソフトバンクで修羅場は何度もくぐっており問題はない。昨季は楽天が田中(現ヤンキース)とジョーンズらの活躍で旋風を起こした。今季のオリックスはその楽天とどこか似ているようにも感じる。(本紙評論家)