ヤンキース田中が7勝目 過去の教訓生かす

2014年05月26日 11時00分

【イリノイ州シカゴ25日(日本時間26日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)が見事な復活投だ。敵地USセルラー・フィールドでのホワイトソックス戦に先発し、メジャー最多の118球を投げ7回途中5安打1失点、6三振3四死球で今季7勝目(1敗)をマーク。チームの7―1の勝利に貢献した。日米通じてのレギュラーシーズンでの連勝記録が「34」でストップしてからわずか1試合で態勢を立て直した若きエースは過去の教訓を生かし、マウンドに上がった。

 


 3回まで出した走者は死球による1人だけ。数字だけ見れば完璧な投球のように思えるが、この日の田中は制球に苦しんだ。スライダーを引っ掛けてしまう場面や、逆球も目立った。それでも、「フォーシームのコントロールがしっかりついていたのがよかった」と話したとおり、速球に活路を見いだし相手を翻弄した。


 4、5回は安打で走者を背負いながらも無失点。6回に無失点投球が途切れた。先頭打者に二塁打。二死までこぎつけたものの、3番・ギラスピーはフォーシームで詰まらせたものの、打球は左翼の前にポトリと落ちて1点を失った。それでも、この回をしのぎメジャーデビューから10戦連続でクオリティースタート(6回を自責点3以内)を決めた。


 そして7回。四球と安打で招いた無死一、二塁の場面で遊直併殺打。ピンチを脱するかに思われたが、続く打者にこの回2つ目の四球を与えたところで交代となった。苦しみながらしっかりゲームはつくった。「内容どうこうより、結果が出たのはよかった。あれだけ点数を取ってもらって楽に投げられました」と7得点の味方打線に感謝した。


 2シーズンぶりの黒星からこの日までは4日間、その間の気持ちの切りかえ方について田中は「方法ですか? それは経験でしかないです。どう自分で割り切るか。自分でどう考えるかだけ」と話した。では、何を考えて過ごしたのか。田中はかつて、こんな話をしたことがある。
「結果が出ない時期とかなかなか勝てない時期っていうのはあるんですけど、そういうときってどうしても勝ちたい勝ちたいってことばかりになってしまう。マウンド上でも相手と戦っているのに、自分と戦ってしまうんです。その時点でダメなんですよ。相手と戦うことに対してエネルギーを使わなきゃいけないのに、自分に対してエネルギーを使ってしまうっていうのが。だから、相手をどう抑えるかを考えるのが大事なのかなって思います」


 今季は黒星が全米をにぎわすニュースになった田中だが、過去には勝ち星に恵まれず苦しんだ時期もあった。その時に気づいた「独り相撲をしてはいけない」という自身への戒め。そういう意識が根底にあるからこそ、制球が完璧でなくても打者と勝負することができた。


 米メディアの取材に「自分に勝ちが付くかは別として、チームが勝ててよかったです」と語った田中。ヤンキースの新エースは敗戦からわずか中4日で息を吹き返してみせた。