オリックスが23日の広島戦(ほっともっと神戸)に3―1で勝利。セ・パ首位対決第1ラウンドを制した。エース・金子千尋(30)が8回無失点で4勝目。敵のエース・前田健太(26)に投げ勝ち、7回にはバットでも適時二塁打を放ってチームに貢献した。「(前田は)誰が見てもいい投手なので、意識していないと言いつつも、どこかで意識していたかもしれない」とにっこりだ。

 チームにとっては、1勝以上の価値がある。昨季の金子はエース対決が少なく、ソフトバンク・摂津、西武・岸と1度ずつ対戦しただけで楽天の大エース・田中(現ヤンキース)との投げ合いはなし。15勝(8敗)をマークしたとはいえ、チーム内には「なんで金子を田中に当てないんだ。田中の連勝を止められるのは金子しかいない。逃げ腰ローテだ」と森脇采配に不満の声が噴出し、ムードが悪くなった。

 だが、今年は違う。金子はすでに西武・岸、楽天・則本との“エース対決”にも勝っており、それに加えて、田中に匹敵する日本球界を代表する投手・マエケンに対するこの日の白星。昨季とは真逆に、チームの士気はさらに上がるばかりなのだ。

「森脇監督は今後、交流戦や球宴でローテが崩れても金子をエース級と対決させていく考え。監督は契約最終年。勝負を避けるような戦い方はしたくないということだろう」とはチーム関係者。もちろん、金子も気合十分で「一試合、一試合、気を抜かずに頑張っていく」ときっぱり。これで貯金は今季最多タイの13。森脇オリックスは、真っ向勝負でてっぺんを取るつもりだ。