無敗神話継続中の田中が抱える唯一の不安

2014年05月14日 11時00分

松坂(左)と談笑する田中(右)

【ニューヨーク12日(日本時間13日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)はメジャーでも無敗神話を継続中だ。デビューから7試合に先発して5勝負けなし、日米通じてのレギュラーシーズンの連勝は「33」に伸びた。しかも、7試合全てでクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以下)を達成と内容も素晴らしい。早くも「死角なし」の声が上がる右腕だが、ある不安を抱えている。それは――。

 

 ボール、登板間隔、言葉の壁などにしっかり適応している田中だが、実は一つだけ、まだ手探り状態なものがある。それは日本に比べて高く、硬いマウンドの影響だ。

 

 下半身の粘りで投げる日本人投手にとって、メジャーの硬いマウンドは、大きな難関。踏み出した足にかかった力をマウンドが吸収せず跳ね返してくるため、下半身にかなりの負担がかかる。松坂はその影響で投球フォームを狂わされ、故障の原因にもなった。ダルビッシュも対応に時間を要した。

 

 田中はどうか。キャンプ前半に「(マウンドが高いゆえの)傾斜負けだけが心配」と語ってはいたが、見事に対応している。9日(同10日)のブルワーズ戦で上がった敵地、ミラー・パークのマウンドも「(今までで)一番硬かったんじゃないかなっていうぐらいのマウンドだった」と語ったものの「違和感とかは全然なく普通に投げられました」と平然としていた。

 

 田中が見事なのは、そんな状態にもかかわらず投球フォームが日本にいたときとまったく変わっていないことだ。あらためて田中に直撃すると、フォームを変えていないことを明かしたうえでこう語った。

 

「(今も)傾斜に気をつけようとかはもちろんありますよ。ただ硬さが気になって投げづらいとかはないですよ。よく言うじゃないですか、踏み出した足が引っかかっちゃうとか。(マウンドにスパイクの歯が)刺さるとか…。でもそれはないですよ。下半身に柔軟性がある? それもないと思いますけどね(笑い)」

 

 そうは言うものの、不安はある。田中は「マウンドは硬いといえば硬いですよ。メチャメチャ硬い。球場によってももちろん違います。だから蓄積疲労は徐々にくると思います。今は大丈夫ですけど、どうなるか分からないし、しっかりケアをしていかないと厄介なことになりますよね。下(下半身)が使えないと…」と表情を曇らせた。

 

 対策は入念な体のケアしかない。マッサージ等に日本時代以上に時間をかけるだけでなく、睡眠やリラックスした時間を十分に取るなど、体にストレスを与えない生活でメジャー1年目を乗り切る覚悟でいる。しかし、敵はマウンドだけではない。メジャーの日程はハード。移動距離は長く、20連戦も珍しくない。これまでに経験したことのない疲労が、今後の田中に襲い掛かることになる。まさに未知との戦いだ。

 

 疲労との戦いにどう向き合っていくのか。田中はグラウンド外でも真価が問われる。