田中 新魔球は浮く「ライジングカット」

2014年05月08日 09時00分

ブルペンで投げる田中。5勝目に死角はない

【カリフォルニア州アナハイム6日(日本時間7日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)は現在4勝無敗で日米通じてのレギュラーシーズンの連勝記録は32にまで伸ばしている。宝刀スプリットのキレ味は素晴らしく早くも“魔球”と呼ばれているほど。その田中、実はもう一つ魔球を持っている。それは何か、ベールを脱ぐ日はいつか――。

 

 田中はこの日、ブルペンで36球投げ、次回登板予定の9日(同10日)のブルワーズ戦に備えた。またフリー打撃ではパワーを披露し、中堅に2発叩き込んだ。ローテーション通りなら、ブルワーズ戦から3戦連続でナ・リーグ本拠地の交流戦に先発する。

 

 田中は6試合に先発して全てクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以下)で、4勝無敗、防御率2・53。スプリットやスライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップなどの多彩な変化球を駆使して、制球力も42回2/3で7四死球と抜群だ。米メディアから早くもヤ軍のエースと呼ばれている。

 

 球種はこれだけで十分に思えるが、もう一つ“メジャーへの秘密兵器”と話題になりながらも、いつの間にか忘れられている魔球を持っている。それは「ライジングカット」。今年1月、仙台で行った自主トレで、一緒に練習していた楽天・美馬とのキャッチボールでお披露目した。

 

 浮き上がるボールを受けた美馬は「何だこれ!」と絶叫。「カットの軌道ですごく伸びた。あんなボールは見たことがない」と目を丸くした。当時、田中が移籍先が決まるかどうかの微妙な時期で、何も語らなかったことから、このコメントが注目を集め「ライジングカットがメジャーで大きな武器になる」と報じられた。浮き上がるカットボールは打者が球の下を叩き、飛球になる可能性が高い。

 

 田中は左打者の内角を攻めるため、昨年からカットボールを使っている。しかし、ここまでライジングカットを投げた形跡はない。今後、試合で使うことは…。田中を直撃すると「(ライジングカットなんて)投げてないですよ! あの時は僕がしゃべらないからって、(メディアが)美馬さんに話を聞きすぎですよ」と苦笑い。

 

 ただこの後、田中の口から興味深い言葉が出た。「(ライジングといわれたボールは)ボールの縫い目を違うふうに持って、横に滑らせて投げていただけですから。(ボールが)上がるように投げていただけ。ただの(キャッチボールする)相手への嫌がらせですよ」。浮き上がる軌道を描くボールが投げられることは認めた。つまり、可能性はある。

 

 もちろん、今持っている球種の精度をさらに上げることが一番大事ではあるが、あくなき向上心を持つ田中だけに期待は膨らむ。田中が新魔球を投げる日が楽しみだ。