笑顔なき2勝目 藤浪苦しめる「完投」と「田中」

2014年05月01日 16時00分

5回裏、打席に向かおうとした藤浪(右)に和田監督は交代を命じた

 阪神・藤浪晋太郎投手(20)が30日の広島戦(甲子園)で今季2勝目をマークした。ただ、序盤に大量援護をもらいながら5回4失点降板というふがいない投球内容で試合後に出てくるのは反省の弁ばかり。思うように結果を出すことができない2年目右腕を苦しめているのは何か――。キーワードは「完投」と「田中将大」だ。

 

 笑顔なき勝利だった。スコアは8―4。球団最長タイとなる甲子園10連勝で首位・広島とのゲーム差は「0」となった。しかし、和田監督は「勝つには勝ったが、反省点の多い試合だった」と、まるで敗戦後のように疲れ切った表情で振り返った。

 

 最大の反省は藤浪の投球だ。2回裏に打者10人の猛攻で一挙7点を先制したものの、直後の3回表に先頭打者の投手・野村に四球。指揮官が「あの四球が後々まで響いた」と指摘したようにチーム全体の歯車が狂いだし、失策もからんで4点を失った。何とか勝利投手の権利を得る5回まで投げ切った藤浪は「完投しないといけない点差でした。リリーフの方、点を取ってくれた野手に申し訳ない。勝ちをつけてもらっただけ。価値のない勝利です」と自らを責めた。

 

 今季は5試合に登板して2勝2敗、防御率4・41。首脳陣が「ボール自体は昨年と比べて格段にいい」と口を揃えるように確実に進化をしているものの、結果が伴わない。

 

 その原因として指摘されているのが完投とヤンキース・田中に対する強い意識だ。チーム関係者は「今年の藤浪はとにかく完投したいという気持ちが強い。藤浪は田中のように状況に応じてメリハリをつける投球スタイルを理想としているけど、それがなかなかうまくいかない。100球前後で打ち込まれる試合が続いていることで余計に意識している」という。

 

 この日の“背信”のきっかけとなった野村への四球についても中西投手コーチは「(力を)抜いたな。まだ六、七分の力でコントロールできる投手じゃない。リリースが緩んで合わなくなってしまう。あそこは全力でいかないと…」と分析。まだまだ田中の投球術にはほど遠いのが現状だ。

 

 もちろん球界を代表とするエースに成長することが期待されている逸材だけに、この壁は乗り越えなければならない。2年目の進化に向けたチャレンジは続く。