【ニューヨーク28日(日本時間29日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)はメジャー2度目の中4日で先発した前日のエンゼルス戦で珍しく5四死球と制球に苦しんだ。それでも6回1/3を5安打2失点、メジャー自己最多の11三振を奪う力投で、米スポーツ専門局ESPNの中継を見た全米のファンをうならせた。1―2とメジャーで初めてリードされた場面で降板したものの、チームは逆転勝ちし、不敗神話は継続した。中4日の影響はなかったのか――。

 チームは開幕後3度目の休養日。これまでの2度はいずれも登板直前だったため、グラウンドで汗を流した田中だったが、今回は登板翌日とあって完全休養したようだ。自身のツイッターにも前日の登板後「明日は久しぶりに一日休み~ のんびりしましょ♪」とツイートしていた。

 田中はデビュー登板から5試合連続でクオリティースタート(先発して6回以上を投げ自責点3以下)をクリアしている。辛口のニューヨークメディアも評価する修正能力があるからこそだが、そんな田中でも懸念されるのが中4日の登板間隔だ。100球をめどに交代するとはいえ、日本時代の中6日とは体調管理の面で大きく違う。キャンプ中から想定していたとはいえ、これまで染み付いている調整リズムを見直すことは一朝一夕にはいかないだろう。前日、制球に苦しんだのも無関係ではなさそう…。

 しかし、田中は「登板が日本よりも早く来るってことで、どんどん試合で投げていける。そういった意味ではいいのかなとは思ってるんですけどね。(中6日の日本のように)1週間が長く感じることがない。1週間たたずに登板、登板、登板って、テンポ良く来るというか」と歓迎している。気持ちの切り替えがしやすく、精神的ストレスがたまりにくい。調子がいいときはどんどん行ける、とプラスに捉えている。

 同時に田中は中6日のデメリットを明かす。「いくら(気持ちを)切り替えても結果が残らないと本当の意味で切り替えってできない。(それでも)切り替えてやっていくけど『もやもや』は(勝つまで)ずっとありますよね。それもストレス。(中6日は)1週間に1回ですから、仮に2回勝てなかったら3週間積もるわけですから。そういう考え方もありますよね」。登板間隔が空くことで、体は休めることができても、精神的なストレスが軽減されることはないというのだ。

 メジャーの全てを楽しんでいる田中。一昨年の8月26日から続く、レギュラーシーズン31連勝はさらに伸びそうだ。